これから化けるかリュークシュロス

才女アダ・アーリア・リュークシュロスの一枚

ついつい女性若手演奏家のCDに
手が伸びてしまいます。
CDで聴く演奏に
性別などまったく関係がないのですが、
私の習性のようなものなので
仕方ありません。本盤も、
応援するつもりで購入したものです
(それに安かった!)。

「ベートーヴェン
   ピアノソナタ第18番 他」

フランク:
 前奏曲、コラールとフーガ
J.S.バッハ:
 前奏曲とフーガ ヘ短調BWV.881
ベートーヴェン:
 ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調
プロコフィエフ:
 ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.14
リュークシュロス:
 ギッター
アダ・アーリア・リュークシュロス(p)
録音:2017年

調べてみるとこの
アダ・アーリア・リュークシュロス、
なんでも1994年生まれのピアニスト。
録音当時はまだ20代前半です。
それでいてこれまで
100以上の国際コンクールでの
受賞歴を誇るとのこと
(それがどれだけすごいことなのか、
あるいはそうでないのか、
私にはわかりませんが)。
それもピアノだけでなく
ヴァイオリンも演奏する
才女ということでした。

さらに調べてみると、
本盤は「ピアニストとしての
デビュー作」であり、
ヴァイオリニストとしてすでに
弟のエアド・アンネルとの
デュオ・アルバムを
発表しているとのことでした。
本人のHP参照
ドイツ期待の才女といわれる理由も
わかります。

さて、演奏ですが、
奇抜な試みや刺激的な演奏を
するわけではありません。
どちらかというと堅実な演奏のように
私の耳には聴こえます。
実はベートーヴェンに期待して
購入したのですが、
群を抜いて素晴らしいというわけでは
ありませんでした。
Op.31-3としては
フレデリック・ギィの刺激的な演奏や
HJリムの斬新な解釈、
メロディ・チャオの流麗な演奏等、
近年の盤には
魅力的なものが多々あります。

それよりもプロコフィエフの第2番に
魅力を感じました。
手持ちの盤と
比較して聴いてみましたが、
こちらの方が表情豊かに感じました。
プロコフィエフのピアノ曲など
これまであまり興味関心が
なかったのですが、
これなら気持ちよく聴けると思える
演奏です。

そして最後に全部で6分ほどの
自作の小品「ギッター」を
配置するあたりが素敵です。
最近はこうした
自作曲を併録するケースがあり、
それが一つのアクセントと
なっていることが多いようです。
本盤もその一例といえます。

この一枚だけでは彼女の力量を
云々することはできません。
至って地味な選曲、
決して個性的とはいえない
演奏スタイル。
しかしながらキラリと光るものを
持っていることは確かです。
これから化けるかリュークシュロス。
次に続く盤に、
注目していきたいと思います。

(2021.6.6)

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