マニアックな選曲が素敵!

ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集1&2

「ヴァイオリンによる
オペラ幻想曲集」という企画は、
特段珍しいものではないのでしょう、
検索するといくつかの盤が出てきます。
でも、その中でも当盤は
曲目としてはマニアックなものであり、
愉しく聴くことができています。

ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集・1

1 フバイ:
 カルメンによる華麗なる幻想曲
2 ラフ:
 ローエングリンのテーマによる二重奏
3 ストラヴィンスキー:
 マヴラよりパラシャのアリア
 (ドゥシュキン編)
4 ゴリホフ:
 アイナダマール
 (ゴリホフ&プルツマン編)
5 ヴァイル:
 マック・ザ・ナイフ
6 プルツマン:
 R.シュトラウス「ばらの騎士」より
7 パガニーニ:
 ロッシーニ歌劇「タンクレディ」より
 序奏と変奏曲
8 ビゼー:
 歌劇「真珠採り」より
 聖なる寺院の奥深く(ロブ編)
9 ラロ:
 歌劇「イスの王」よりオーバード
 (シゲティ編)
リヴィア・ソーン(vn)
ベンジャミン・ロブ(p)
ジェフ・ヌッタール(vn/vc):4,8
録音:2006年

ヴァイオリンによるオペラ幻想曲集・2

1 ヴェルディ:
  第1回十字軍のロンバルディア人
  ~第3幕への前奏曲
  (B.ローブによるvnとp編)
2 チャイコフスキー:
  エフゲニ・オネーギン第2幕
  ~レンスキーのアリア
  「青春は遠く過ぎ去り」
  (L.アウアーによるvnとp編)
3 ハーゲン:
 「1958年10月、タンジール、
  愛はどのように」~白いワルツ
4 サラサーテ:
 グノー「ファウスト」による
  新しい幻想曲Op.13
5 グルック:
 オルフェオとエウリディーチェ
 第2幕~精霊の踊り
 (F.クライスラーによるvnとp編)
6 フバイ:
 クレモナのヴァイオリン作りOp.40
7 マルチヌー:
 ロッシーニの主題による変奏曲
 (B.ローブによるvnとp編)
8 ヘンデル:
 セルセ第1幕~オンブラ・マイ・フ
 (A.ヴィルヘルミによるvnとp編)
9 バーガー:
 「従軍記者」の主題による幻想曲
10 ヴェルディ:
 「運命の力」第3幕~最後の頼みだ
 (B.ローブによるvn,vaとp編)
リヴィア・ソーン(vn)
ベンジャミン・ローブ(p)
ゲオフ・ナッタール(va:10)
録音:2014年

オペラの有名曲の名場面を集めた
素人向けの作品集ではありません。
ビゼー「真珠採り」、
ラロ「イスの王」などは
原曲となるオペラ作品そのものを
聴いたことがないので、
私には旋律そのものが
新鮮に感じられました。
第2集のハーゲン
バーガーにいたっては
作曲家の名前さえ知りませんでした。
そもそも世界初録音となる作品が、
第1集では4,6,8の3曲、
第2集は3,7,9,10の4曲ですから、
秘曲を集めた、かなり気合いの入った
作品集と考えられます。

それでいてところどころに
聴き馴染んだフレーズが現れ、
はっとさせられます。
また、オペラの情景が
浮かび上がるような部分も多々あり、
刺激に満ちています。
オペラになじみのない方でも
十分に愉しむことができるはずです。

ヴァイオリンのリヴィア・ソーンは、
一音一音を丁寧に
しっかり演奏しているという
印象を受けます。
あまり名前の聴くことのない
ヴァイオリニストですが、
経歴を調べてみると、
13歳でメニューイン国際
ヴァイオリンコンクールに優勝、
2005年からスタンフォード大学の
音楽部門で後進の指導にあたる、
等々ありますので、
力のある演奏者だと思います。
この2枚の盤から
もそれが伝わってきます。
ところがCDとしては、
この2枚のほかには
NAXOSからバーガーの作品集と、
Eloquentiaという小さなレーベルから
ブリテンとやはりバーガーの
ヴァイオリン協奏曲の
2枚が出ているだけです
(バーガーという作曲家に
思い入れがあるようです)。
機会があったら
聴いてみたいと思っています。

なお、第1集は
10年以上前に購入したものですが、
第2集を見逃していたところ、
最近やはりAmazonの
最後の一枚ででていましたので、
304円で購入できてしまいました。

(2021.5.23)

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