クラシック私的名曲名盤
ベストな3枚 File-030
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱」
ベートーヴェンの第9交響曲。
年末に演奏する習慣は日本だけです。
わかるような気がします。
この曲はおいそれと聴くべき
曲ではないからです。
何か特別な機会に
演奏されるべき性質を持った
曲なのでしょう。
というわけで、大晦日の今日は、
ベートーヴェンの第9交響曲です。
私はこの3枚を高く評価しています。
ガーディナー(指揮)
オルケストル・レヴォリュショネール・
エ・ロマンティーク
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/12/2020.12.31-1.jpg?resize=300%2C259&ssl=1)
まったく引きずらずに、
快速のテンポで進んでいく
第1・2楽章の小気味よさ。
この盤の発売当時、
昂奮しながら聴いたことを
覚えていますが、それからすでに
四半世紀が過ぎてしまいました。
全く古びていません。
ショルティ(指揮)
シカゴ交響楽団
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/12/2020.12.31-2.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
この演奏の素晴らしさは
第3楽章の弦の美しさ。
シカゴ交響楽団はどちらかというと
力業が得意なのですが、
慌てずじっくりと
丹念に演奏された第3楽章は
天にも昇る美しさです。
ガーディナーは攻撃的ともいえる
アプローチですが、
こちらは心が癒やされる演奏です。
この曲でこの演奏を押す人は
あまりいないのかも知れませんが、
私は気に入っています。
フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)
デンマーク国立交響楽団
![](https://i0.wp.com/www.xn--68j2bd00b5dpc7181c2ssb6kvp57b6yf.club/wp-content/uploads/2020/12/2020.12.31-3.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
以前取り上げました。
CDではなくBlu-rayです。
第1楽章第2楽章では、
指揮者からもオーケストラからも
ただならぬ緊張感が伝わってきます。
第3楽章ではそれが
天国的な美しさに転化します。
そして第4楽章。
大きな感動に包まれます。
CDも含め、あまたあるこの曲の演奏の
ベストに位置づけできる
完成度の高さです。
もしかしたら第9交響曲のCDには
駄盤は存在しないのかも知れません。
次の3枚をあげろと言われれば、
ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル盤、
クリヴィヌ&ラ・シャンブル・フィル盤、
アバド&ベルリン・フィル盤が
すぐ出てきます。
これらは上の3枚と同じくらい
愛聴しています。
数種あるカラヤン盤は
どれもこれも洗練されています。
フルトヴェングラーの
神がかり的名盤も素晴らしいと
思います(音質が悪く
あまり聴こうと思いませんが)。
バーンスタイン盤も立派です。
ラトルやアーノンクールも大好きです。
シュミット=イッセルシュテット、
コンヴィチュニー、ワルターらの
深い味わいも魅力があります。
ハイティンクやブリュッヘンや
バレンボイムも
ときどき引っ張り出します。
トスカニーニやケンペやシェルヘンの
渋い味わいもたまりません。
小澤や佐渡もいい味です。
それでは今年は
どれを聴いて締めくくりましょうか。
皆様、よいお年をお迎えください。
(2020.12.31)