ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ全集
前回に引き続き、
思わず手を出してしまった
未知のCDを取り上げます。
ベートーヴェンの
ヴァイオリンソナタ全集です。
曲ではなく演奏者が未知なのです。
ベートーヴェン:
ヴァイオリンソナタ全集
Aaron Berofsky (vn)
Phillip Bush (p)
〔BLOCK M RECORDS〕
聴いてみるとなかなかいい演奏です。
心地よい演奏です。
超絶テクニックで
無理矢理弾ききったり、
独自の解釈を知らしめようというような
とんがった演奏でもなく、
作品に誠実に向かい合った演奏だと
感じました。好感が持てます。
録音もクリアであり、
スピーカーからいい音が鳴り響きます。
私は多くを聴き分けられる耳を
持っているわけではありませんが。
この Berofusky (ベロフスキと
発音すると思われる) という
ヴァイオリニスト、
ネットで検索しても
ほとんど情報が出てきません。
しかしYouTubeには
チャンネルを開設していました。
CDのレーベルも
これまで聞いたことのないものです。
HMVやタワーレコードのサイトの
レーベル一覧にも掲載されていません。
しかもデジパックの仕組みも
これまで見たことのない
3枚収納方式です。
2枚目、3枚目の取り出し方がわからず、
危なく破壊してしまうところでした。
しかしながら、優秀な録音と
デザイン性の高い
洗練されたパッケージであり、
注目に値するレーベルであると
感じました。
そうした点も含めて、
新発見の多いCDであり、
満足しています。
私はずっと
オイストラフ&オボーリン盤、
クレーメル&アルゲリッチ盤、
ムター&オーキス盤を
愛聴してきました。
この3つさえあればいいだろうと
思っていたのです。
ところがベートーヴェン・イヤーという
こともあり、ここ半年で
グリュミオー&ハスキル盤、
ザイラー&インマゼール盤を購入し、
それぞれの素晴らしさを味わうとともに
この曲集の奥の深さを体感できました。
そこで次は、と思っていたところ、
Amazonでまたとんでもない価格
852円で販売していたので、
つい手を出した次第です。
買って正解でした。
クラシックCDの世界はまだまだ広く、
愉しみは尽きません。
(2020.11.3)