マンシクールの音楽を聴く

無視され続けている理由がわからない

ピエール・ド・マンシクールという
作曲家を知っているのは、
古楽に通じた方以外には
いないのではないでしょうか。
音盤も検索してみると、
本盤以外は片手に余るほどしか
見当たりません。
そんな作曲家の作品を
どうして聴く気になったか?演奏が
ウエルガス・アンサンブルだからです。
「vivarte-BOX」で知って以降、
音盤を買い集めています。

マンシクール
ミサ「来たれ、精霊よ」他

Manchicourt

マンシクール:
 モテット「地上の王らは」
 ミサ「来たれ、聖霊よ」より「キリエ」
 モテット「おヽ、乙女のなかの乙女よ」
 ミサ「来たれ、聖霊よ」から
  「グローリア」
 シャンソン「永らくわが心は思い悩み」
 シャンソン「金がないのは」
 シャンソン「おヽ、素晴しい
  美しさに宿る残酷さよ」
 ミサ「来たれ、聖霊よ」より「クレド」
 モテット「マリア・マグダレーナ」
 ミサ「来たれ、聖霊よ」より
  「サンクトゥス」
 モテット「怠け者よ、
  いつまで眠っているのか」
 ミサ「来たれ、精霊よ」より
  「アニュス・デイ」
ウエルガス・アンサンブル
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮)
録音:1996年

ピエール・ド・マンシクール
(Pierre de Manchicourt)は、
1510年頃に生まれ、
1564年に没したフランスの作曲家です。
青年期には
アラス大聖堂の少年聖歌隊に所属、
やがてスペインに渡った後、
フェリペ2世の宮廷礼拝堂の
聖歌隊の監督を務めるなど、
合唱の分野で活躍したとされています。

1510c Manchicourt

ルネサンス期・フランドル楽派の
作曲家の一人であるマンシクールは、
当時の多くの作曲家と同じように、
ミサ曲やモテット、シャンソン等を
作曲しました。
本盤はそれらの代表的な作品を
集めたものです。
軸となっているのは
ミサ曲「来たれ、精霊よ」なのですが、
5つの楽章をそのまま通して
演奏するのではなく、
モテット4曲、シャンソン3曲を
間に挟み、演奏するという特殊な形態の
プログラムを採用しています。

今日のオススメ!

収録されている
ミサ、モテット、シャンソンは、
すべて無伴奏の合唱作品とはいえ、
それぞれ音楽的に異なる形式です。
それを一つのプログラムとする
意図は何か?
ミサ曲部分5曲の連続演奏を
CDプレーヤーで設定して聴いてみると、
今ひとつ変化に乏しい感じが
否めません。
本盤全曲を聴き通すと、
ミサ、モテット、シャンソン
それぞれが音楽の進行に抑揚を与え、
一つの組曲として成立しているように
感じられるのです。

それにしても美しい音楽です。
緻密かつ複雑に織り込まれた
ポリフォニーが、えも言われぬ
音楽パノラマを創り上げているのです。
かなり完成度の高い音楽という
印象を受けます。
これほど優れた音楽を創り上げた
作曲家でありながら、
なぜ音盤が少ないのか?
無視され続けている理由が
わかりません。

もしかしたら、
その美しい音楽を十全に再現できる
音楽家集団が限られているという
ことなのかも知れません。
ウエルガス・アンサンブルの演奏は、
例によって一点の曇りもない、
澄み渡った合唱が展開されていきます。
ウエルガス・アンサンブルでなければ
再現できない
音楽世界なのかも知れません。

その貴重な本盤も、
すでに廃盤となっており、
入手がきわめて難しくなっています。
十分に味わい尽くしたいと思います。
やはり、音盤は愉し、です。

〔ウエルガス・アンサンブル〕

〔マンシクールの音盤はいかが〕

〔ウエルガス・Ens.の音盤〕

(2023.10.29)

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