プルーデルマシェのベートーヴェン

透明感溢れる音色もまたベートーヴェン

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は
もうそろそろいいだろと思いながら、
またさらに一組購入してしまいました。
プルーデルマシェの全集です。以前、
ラヴェルのピアノ協奏曲で出会い、
その素晴らしい演奏に驚きました。
品切れ状態が続き、
なかなか入手できなかったのですが、
先日HMVにて80%オフの
3190円で販売されており、
即購入しました。

ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ全集
ジョルジュ・プルーデルマシェ

ベートーヴェン:
Disc1
 ピアノ・ソナタ
  第1番ヘ短調 op.2-1
  第6番ヘ長調 op.10-2
  第22番ヘ長調 op.54
  第23番ヘ短調 op.57「熱情」
Disc2
 ピアノ・ソナタ
  第2番イ長調 op.2-2
  第16番ト長調 op.31-1
  第28番イ長調 op.101
Disc3
 ピアノ・ソナタ
  第3番ハ長調 op.2-3
  第10番ト長調 op.14-2
  第21番ハ長調 op.53
   「ワルトシュタイン」
Disc4
 ピアノ・ソナタ
  第7番ニ長調 op.10-3
  第17番ニ短調 op.31-2
   「テンペスト」
  第15番ニ長調 op.28「田園」
Disc5
 ピアノ・ソナタ
  第13番変ホ長調 op.27-1
  第19番ト短調 op.49-1
  第18番変ホ長調 op.31-3
  第20番ト長調 op.49-2
  第26番変ホ長調 op.81a「告別」
Disc6
 ピアノ・ソナタ
  第11番変ロ長調 op.22
  第29番変ロ長調 op.106
   「ハンマークラヴィーア」
Disc7
 ピアノ・ソナタ
  第9番ホ長調 op.14-1
  第14番嬰ハ短調 op.27-2「月光」
  第24番嬰ヘ長調 op.78
  第27番ホ短調 op.90
  第30番ホ長調 op.109
Disc8
 ピアノ・ソナタ
  第12番変イ長調 op.26
  第4番変ホ長調 op.7
  第31番変イ長調 op.110
Disc9
 ピアノ・ソナタ
  第5番ハ短調 op.10-1
  第8番ハ短調 op.13「悲愴」
  第25番ト長調 op.79
  第32番ハ短調 op.111
Disc10
 ディアベッリの主題による変奏曲
  op.120

ジョルジュ・プルーデルマシェ(p)
録音:1998年

この演奏の特徴の一つは、
4本目のハーモニック・ペダルを
取り付けたピアノによって
演奏されているということでしょう。
なんでもベートーヴェンのペダル指示は
とても長く、モダン楽器で普通に踏むと
音が濁ってしまうのだそうです。
ところが
この4本目のペダルを薄く踏むと
ちょうどよいオープンペダル効果が
得られるということのようです。
私のような素人には
よくわからないのですが、
その効果なのでしょうか、
音が極めてクリアです。
音の響きが一つ違って聞こえてきます。

もう一つの特徴は、
調性にこだわった楽曲配列にあります。
番号順に収めた全集もあれば、
メーカーの都合でCDの枚数が
少なくなるような組み合わせで
収められたものもあれば、
曲の持つイメージで配列したものも
ありましたが、
調性で並べた全集セットは初めてです。

プルーデルマシェの
演奏自体はというと、
近年の流行であるように、
やや軽めのタッチで
流麗に弾き切っているという
印象を受けました。
重苦しくもなく、癖の強さもなく、
爽快感のある演奏となっています。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ
(特に最後の3曲)に
特別な思い入れのある方が聴くと、
「深みがない」と一蹴されそうな
雰囲気があるのですが、
この石清水のような
透明感溢れる音色もまた
ベートーヴェン演奏の
一つの形なのです。

さてこのプルーデルマシェ、
名前の綴りはPludermacherと
なっています。
多くのサイトでは
「プルーデルマッハー」と
ドイツ人ぽく紹介されているのですが、
フランス国籍であることを考えると
適切ではなさそうです。
サイトによっては
「プルーデルマシェ」
「プリュデルマシェール」
「プリュデルマッシェール」と、
いくつかそれらしく
表記されているものもあります。
当サイトではとりあえず
「プルーデルマシェ」としました。

HMVのサイト情報では、
プルーデルマシェは、
現代音楽やジャズ、
編曲などにも精通した
マルチなピアニストとありました。
そして作品の演奏にあたっては、
楽譜の研究だけでなく、
作曲者の伝記、肖像画や手紙、
周辺人物の情報、
当時の社会や演奏などの環境も
十分に調べ上げ、
さらに楽曲解釈や楽器構造の探求まで
徹底的におこなうともあります。
なかなかに学究的な
演奏家なのでしょう。
パリ国立高等音楽院教授という
肩書きを持っていることからも、
それがうかがえます。

ネット上では以前から
人気の高いピアニストだったのですが、
録音が小さなレーベルからしか
発売されていないため、
そのほとんどが入手困難であり、
なかなかその全貌が
知られてはいませんでした。
ベートーヴェンだけでなく
モーツァルトやシューベルトも全集を
完成させているとのことでしたので、
そちらもBOX化して発売されることを
期待しているところです。

H.J.リムやメロディ・チャオの
全集とともに、長く付き合えそうな
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集
演奏です。
やはり音盤は愉し、です。

(2022.5.8)

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