決してハイドンやモーツァルトに負けてはいない
ボッケリーニ。
名前だけは知っています。
曲を聴いたことも確かにあります。
しかし、ボッケリーニ単独のCDを
探したのですが、
私は所有していませんでした。
そうなるとこのvivarte-BOXの
ボッケリーニだけを収録した2枚は
貴重です。
Disc-33
【ビルスマの
ボッケリーニ:チェロ協奏曲】
ボッケリーニ:
序曲ニ長調 G.521 Op.43
チェロ協奏曲ニ長調 G.476
八重奏曲 ト長調 Op.38-4 G.470
チェロ協奏曲ハ長調 G.573
シンフォニア ハ短調 G.519
アンナー・ビルスマ(vc)
ターフェルムジーク・バロック管
ジーン・ラモン(指揮&vn)
Disc-34
【ビルスマの
ボッケリーニ:チェロ・ソナタ集】
ボッケリーニ:
チェロ・ソナタ変ロ長調 G.8
2つのvcのためのフーガ
ヘ長調 G.73-2
チェロ・ソナタ変ホ長調 G.10
チェロ・ソナタ ヘ長調 G.9
2つのvcのためのフーガ
変ロ長調 G.73-3
チェロ・ソナタ ハ短調 G.2
2つのvcのためのフーガ
イ長調 G.73-5
チェロ・ソナタ ト長調 G.15
アンナー・ビルスマ(vc)
ケネス・スロウィック(vc)
ボブ・ファン・アスペレン(fp)
ボッケリーニといえば、
「ボッケリーニのメヌエット」が
有名なのですが、それ以外は
まったく知りませんでした。
私はチェリストのBOXに
収録されてあるボッケリーニの曲を
数曲聴いただけでした
(フルニエ、シュタルケル、
デュ・プレのBOXに
収録されていました)。
時代としては
ハイドン(1732年生まれ)と
モーツァルト(1756年生まれ)に
挟まれた格好(ボッケリーニは
1843年生まれ)なのですが、
両巨人の影に隠れ、今ひとつ
ぱっとしないところがあります。
それも仕方ありません。
作曲家として以上に、
チェリストとしての名声が
高かったようですから。
それでも作曲の方も多作です。
本職のチェロ協奏曲、
チェロソナタのほかに、
弦楽四重奏曲を90曲以上
(ハイドンは70曲程度)、
弦楽五重奏曲を100曲以上
(ハイドン、モーツァルトは
ともに6曲だけ)を考えると、
決して両者に負けてはいないのです。
もちろん演奏するチェリストは
ビルスマです。
2枚とも端正で淀みなく進行する
チェロの音に心を奪われます。
モーツァルトほど
インパクトのある曲ではないものの、
ハイドンのような温かみのある
ボッケリーニの音楽の魅力を
すべて引き出したかのような演奏です。
古楽器による演奏と思われますが、
やや枯れた色彩の朴訥とした音色が
しみじみと響き渡ります。
優秀録音で知られる
vivarteレーベルにしては、
楽器がやや奥まった位置に
聞こえるような部分があり、
「いい音」を十分に
堪能できないところがありますが、
それは気になるほどではありません
(私の再生機器の
問題かもしれませんが)。
ボッケリーニの音楽を
もっと聴いてみたいと思えるような
2枚です。ただ、
ボッケリーニは多作家であったため、
どれから聴けばいいのか、
古楽の知見の浅い私にとっては
ややハードルの高い存在です。
廉価盤レーベルのBRILLIANTから
「BOCCHERINI・EDITION」なる
37枚組BOXが出ているので、
そちらにターゲットを絞って
検討していこうかなと思っています。
(2022.3.5)
【当盤鑑賞に最適のSAKE】
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【今日の2枚は
こちらにも収録されています】
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