ビルスマのブラームス

朴訥なブラームスが実によく描かれている

今年5月にようやく購入できた
vivarte 60CD collection」第1集。
古楽に疎かった私ですが、
以前から欲しいと思っていたのが
この盤です。
ビルスマがバロック・チェロを駆使した
名録音から、すでに
四半世紀を過ぎていたのですから、
時の流れは速いという実感が湧きます。

ブラームス:チェロ・ソナタ

ブラームス:
 チェロ・ソナタ第1番ホ短調op.38
シューマン:
 民謡風の5つの小品op.102
ブラームス:
 チェロ・ソナタ第2番ヘ長調op.99

アンナー・ビルスマ(vc)
ランバート・オーキス(p)
録音:1995年

ブラームス
ロマン派の時代に生きながら、
古典派の様式美を追求した作曲家です。
ビルスマの弾くチェロの
素朴な語り口は、
この曲からロマン派の衣装を剥ぎ取り、
この曲の持つそうした「古典派」の顔を
前面に押し出しています。
朴訥なブラームス
実によく描かれていると感じます。

2つのチェロ・ソナタに挿まれた
シューマンの作品も素敵です。
ジャケットに使われている
絵画のような、静寂なたたずまいが
眼前に広がってくるようです。

チェロの音の響きが
現代のそれとは異なるのですから、
雰囲気も当然違います。
何ともいえない「渋み」が
出ているのです。それが
古楽器の音色というものでしょう。

オーキスの弾くピアノは
現代楽器とは言い難いのですが、
フォルテピアノや
チェンバロとも異なります。
「ワシントン・スミソニアン博物館所蔵
19世紀スタインウェイ」ですので、
古楽器というよりは
「古い時代のピアノ」なのでしょう。
いっそチェンバロ等で伴奏した場合、
どのように聴き取れたのか、
興味が湧きます。
ピリオド楽器でストラヴィンスキーまで
演奏してしまう時代ですから、
純粋な古楽器でブラームス演奏という
方法もあったのではないかと思います。
それこそベートーヴェンと同様に、
インマゼールのフォルテピアノで
合わていたら、
どんな音楽が出来していたのでしょう。

ロストロポーヴィチとゼルキンの演奏、
フルニエとフィルスクニーの演奏など、
現代楽器での名盤に事欠かない
この曲の場合、
バロック・チェロの音色は好き嫌いが
分かれるところかもしれません。
私自身もそれらと比較して
このビルスマ盤が
決定的に優れているとは
思ってはいません。
いろいろな演奏を楽しめることが
大切だと思うのです。
ビルスマの演奏が残されたことは
幸いです。
他の盤とは異なる味わいの、
ビルスマのチェロを
とことん堪能しましょう。

(2021.12.25)  

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