フォルテピアノの音もいいものです
フォルテピアノの音色に
ようやく馴染むようになり(私の場合は
20年以上かかってしまった!)、
最近はフォルテピアノの演奏のものを
好んで買うようになりました。
最近入手したインマゼールの
モーツァルト・ピアノ協奏曲全集。
録音は1990年~1991年ですから、
もはや30年前のものと
なってしまいました。
モーツァルト:独奏ピアノ協奏曲全集
Disc1
ピアノ協奏曲第5番ニ長調K.175
ピアノ協奏曲第9番
変ホ長調K.271「ジュノム」
Disc2
ピアノ協奏曲第8番
ハ長調K.246「リュッツォウ」
ピアノ協奏曲第28番ニ長調K.382
(ピアノと管弦楽のためのロンド)
ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414
Disc3
ピアノ協奏曲第11番ヘ長調K.413
ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415
ピアノ協奏曲第14番変ホ長調K.449
Disc4
ピアノ協奏曲第15番変ロ長調K.450
ピアノ協奏曲第16番ニ長調K.451
Disc5
ピアノ協奏曲第6番変ロ長調K.238
ピアノ協奏曲第17番ト長調K.453
Disc6
ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K.456
ピアノ協奏曲第19番ヘ長調K.459
Disc7
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
Disc8
ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
Disc9
ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
Disc10
ピアノ協奏曲第26番
ニ長調K.537「戴冠式」
ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
ジョス・ヴァン・インマゼール(fp)
アニマ・テルナ(演奏)
録音:1990年~1991年
この録音が出た当時に、
音楽雑誌で確か
「現代の立派なピアノがあるのに
なぜこんな薄っぺらな音しか出せない
楽器で弾くのか」といったような
批判的な評価を読んだ記憶があります。
しかし決して薄っぺらな音ではなく、
「こういう音」なのです。
グランドピアノは
モーツァルトの時代には存在せず、
従ってモーツァルトは
グランドピアノで演奏されることを
想定して作曲したわけではないのです。
このフォルテピアノの音色が
最大限生かされる旋律づくりを
したはずなのです。
インマゼールの演奏は、
弾き振りだからかも知れませんが、
フォルテピアノと
オーケストラが調和し、
バランスのとれた演奏となっています。
音楽が自然に流れていく
叙情的な演奏となっているのです。
この音に慣れてしまうと、
現代ピアノの演奏は、華麗すぎて
ギトギトしているようにすら
感じてしまいます。
やはり
「慣れ」の問題なのかも知れません。
実は20年以上前に
ビルソン/ガーディナーの全集セットを
買っていたのですが、
その当時の私の耳は
古楽器慣れしておらず、
これなら現代ピアノの方がいいと
考えていました。
バレンボイムの20~27番や、
グルダとアバドの何曲かを
愛聴していましたので、
耳がそちらの方に慣れていたのです。
もちろん現代ピアノの演奏にも
素晴らしいものはたくさんあります。
もう一度、心と耳を澄ませて
モーツァルトのピアノ協奏曲を
聴き比べてみようと思います。
さて、最近では
スホーンデルヴルトや
ベズイデンホウトの
モーツァルトのピアノ協奏曲の録音が
進行しています。
いずれ全集となるのでしょうが、
こちらも楽しみです。
クラシック音楽は
まだまだ愉しみが尽きません。
(2021.3.27)