ジェニファー・コーのヴァイオリン

シューマン:ヴァイオリン・ソナタ全曲

地方に住んでいても
中古CDを買うことが
できるようになりました。
ヤフオク、アマゾン、HMV…。
便利な世の中です。
でも、やっぱりネットではなく
リアル中古CDショップに行くのが
この上ない楽しみです。
それも東京で。

シューマン:
ヴァイオリン・ソナタ全曲
      Op.105,121,WoO27
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)
ウチダ・レイコ(ピアノ)
〔CEDILLE〕

CDは背部分しか見えませんので、
勘が頼りです。
これは!と思うCDを棚から取り出し、
ジャケットの表裏を丹念に眺める。
すると、
ジャケットに惹かれてしまうCDが
いくつか出てきてしまいます。

数年前に東京へ行った際に
ゲットした獲物の一つ。
シューマンの
ヴァイオリン・ソナタなんぞ、
普段は見向きもしないのですが、
なぜかインスピレーションが働いて、
取り出してみたら…、
ジャケットから言いようのない
エネルギーが発散されていたのです。
「私を聴いて」みたいな。

私はジャケ買いは
けっこうするのですが、
このジェニファー・コーさん、
顔だちは私の好みではないのですが、
この食い入るような視線に負けて
買ってしまいました。

不思議な魅力があります。
容姿も決して色気のあるほうでは
ないと思うのですが、
ヴァイオリンの音色も色気に欠けます。
しかし、落ち着いた音色の中に
引きつけられるものがあるのです。
それがシューマンの
ヴァイオリン・ソナタという
地味な曲にぴったりと合って、
何とも言えない安心感を持って
聴き通すことができるのです。

ピアニストもウチダ・レイコという
おそらくは日本人。
コーも調べてみたら
アメリカ人だけども韓国系。
アジアの2人の醸し出す雰囲気が
私の感覚と合ったのかも知れません。

このコーさん、調べてみると
チャイコフスキーの
ヴァイオリン協奏曲、
バッハの無伴奏、
その他数点のCDが出ているようです。
そうした作品で、
果たして彼女のヴァイオリンが
どのように響いているのか楽しみです。

(2020.5.16)

コメントを残す