オーストリアの歴史的オルガン

レオンハルトの飽くなき探究心

コープマンの演奏した16枚組の
バッハ・オルガン曲全集を聴き、
「オルガン音楽はあと十分」と
思い込んでいました。
そうではないと
考えを改めさせられたのは
「vivarte 60CD collection」
レオンハルトによる
オルガン演奏盤を聴いてからです。

「オーストリアの歴史的オルガン」

ケルル:
 パッサカリア ニ短調
フローベルガー:
 リチェルカール ト短調
フィッシャー:
 シャコンヌ ヘ長調
シュペート:
 エコー・トッカータ第4番ニ短調
パッヘルベル:
 我ら皆唯一の神を信ず
 アリアと変奏ヘ長調
ムファット:
 トッカータ第1番ニ短調
ハスラー:
 トッカータ第8番ト長調
エルバッハ:
 第4旋法のカンツォーナ
シュペート:
 トッカータ第1番ニ短調
ポリエッティ:
 第1旋法のリチェルカール第3番
ケルル:
 カンツォーナ第5番ハ長調
パッヘルベル:
 トッカータ ハ長調
 アリア「ゼバルディーナ」と変奏ヘ短調
ムファット:
 トッカータ第5番ハ長調

グスタフ・レオンハルト(org)
録音:1995年

それにしてもよくこれだけの作曲家の
オルガン音楽を集めてきたものです。
1曲目と12曲目の
ヨハン・カスパール・ケルル
1627年生まれの
ドイツ盛期バロック音楽の
作曲家兼オルガニストです。
作曲家としても演奏家としても
教師としても当時は
広く名の知れた人物でしたが、
現在はほとんど忘れ去られています。
2曲目のフローベルガーは、
やはりレオンハルトによる
チェンバロ曲集がvivarte-BOXに
収録されています。
1616年生まれのこの作曲家は、
鍵盤楽器演奏の達人であり、
「J.S.バッハの一歩手前」に存在した
重要な鍵盤曲作曲家の一人と
されています。
3曲目のヨハン・フィッシャーもまた
バッハ以前の重要な
ドイツ・バロック音楽の作曲家の
一人です。彼の作曲した
オルガン曲集「アリアドネー・ムジカ」は、
バッハの「平均律クラヴィーア曲集」の
先駆的作品とみなされています。

と、冒頭に収録された3人だけでも、
調べてみると音楽史上重要な位置を
占めている作曲家なのでした。
とこが4曲目の
ヨハネス・シュペートになると
話が違ってきます。検索しても
作品がほとんど見当たりません。
「NAXOS Music Library」にも
5曲しか登録されていないようです。
本盤収録の2曲は
かなり貴重な録音と考えられます。
ゲオルク・ムファト、
ハンス・レーオ・ハスラー、
クリスティアン・エルバッハ、
アレッサンドロ・ポリエッティにしても
同様であり、
本盤収録曲はかなりマニアックな
選曲となっているようです。

以前取り上げたレオンハルトの
「北ドイツのオルガン作品集」
「フランスと南オランダのオルガン」

魅惑的な録音でしたが、本盤もまた
レオンハルトの飽くなき探究心の
成果ともいえる作品集となっています。

こうしてみると、
やはり古楽の世界の深奥さに
驚かされます。
これまで好んで聴いてきた
モーツァルト以降の
作曲家たちの音楽は、
まだまだ広大な世界の一隅にしか
過ぎなかったのです。
古楽の魅力を味わえる
「vivarte 60CD collection」。
やはり宝石箱のような存在であり、
「音盤は愉し」です。

(2022.6.11)

【当盤鑑賞に最適のSAKE】

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