ハリー・ファン・デル・カンプのバスの魅力

ソプラノやテノールばかりではない、声楽の愉しさ

声の美しさを聴く、となると、
ついソプラノやテノールばかりに
注目しがちですが、
低音の魅力もまた
素晴らしいものがあります。
そんな当たり前のことに
気づかせてくれたのが本盤です。
例によって
「vivarte 60CD collection」の中の
一枚です。

BOXⅡ Disc9
バスのためのカンタータ集

ローゼンミュラー:
 預言者エレミアの哀歌 聖木曜日用
ヨハン・クリストフ・バッハ:
 おお神よ、汝は
  いかにして怒りに燃え立ち
ブクステフーデ:
 わが心は整えり
 われは復活であり
ヴェックマン:
 疲れし者、重荷を負いし者、
  みなわが許に来たらん
シュッツ:
 われは身を横たえて眠り
 わが子、アブサロン
トゥンダー:
 めでたし、夫の父
ブルーンス:
 深き淵より
ローゼンミュラー:
 預言者エレミアの哀歌 聖金曜日用

ハリー・ファン・デル・カンプ(Bs)
ピリオド・インストゥルメント・
アンサンブル
録音:1995年

何度聴いても
バスの美しさに魅了されます。
ファン・デル・カンプの
張りと柔らかさを併せ持ったような
声の音色、そして
その流麗な歌い回しに圧倒されます。
表現は表情過多にならず、
取り上げられている
17世紀のカンタータの曲そのものの
魅力を十全に引き出しています。
ファン・デル・カンプは以前取り上げた
vivarte-BOXの一枚である
「バッハ:カンタータ集」でも
素敵な演奏を披露しているのですが、
そちらはテルツ少年合唱団の
清冽な歌声のほうが前面に出てしまい、
ファン・デル・カンプは
脇役に回った感があります。
主役に据えるとこれだけの存在感を
発揮するのですから
相当の実力の持ち主なのでしょう。

ファン・デル・カンプのCDを
検索してみると、
アーノンクールやレオンハルトとの
バッハのカンタータ、
スウェーリンクの声楽作品集など、
多くの録音が見つかります。
私が知らなかっただけで、
実は実績豊かな演奏家なのでした。

当盤収録作品も魅力的です。
ローゼンミューラートゥンダー
ブルーンズなど、
本盤で出会った作曲家も
素敵な音楽を聴かせてくれます。
他の作品を聴いてみたいと思わせる
作曲家たちです。

「vivarte 60CD collection」は、
これまで知らなかった
バロック・ルネサンス期の作曲家と
出会うことができます。
そしてそれだけでなく、
新しい演奏家との出会いも
豊富にあります。
私は古楽に疎かったのですが、
声楽もあまり得意でなかったため、
その魅力をあまりよく
理解できていませんでした。
この一枚は声楽の魅力に
気づかせてくれるとともに、
音楽の森の深さを
改めて感じさせてくれます。
やはり、音盤は愉し、です。

(2022.6.4)

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【当盤鑑賞に最適のSAKE】

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