マイニンガーのフルート

フンメル:フルートとピアノのための作品集

長年CDを買い続けていると、
同曲異盤ばかり増えてきます。
ベートーヴェンの交響曲全集の所有も
すでに30組を超えてしまいました。
それはそれで
聞き比べの面白さがあるのですが、
何か自分の音楽の趣味の幅が
広がっていないような
気がしていました。そこで
最近はジャケ買いに走っています。
そうすると新しい音楽と出会えます。
今日の一枚もそうです。

フンメル:
フルートとピアノのための作品集
クリスティアーネ・マイニンガー
(フルート)
ライナー・ゲップ(ピアノ)
〔Profil〕

まず作曲家・フンメル(1778-1837)。
たしかモーツァルトと同時代だった、
そんな知識しかありませんでした。
調べてみると、何とフンメルは
モーツァルトの家に住込みで
2年間に渡ってピアノを習っていた!
さらにはハイドンからオルガンを学び、
ベートーヴェンとも
親交を結んでいました。
何という華々しい経歴でしょう。
その割には
現在あまり顧みられていません。

収録曲は以下の通りです。

・フルート・ソナタ ニ長調 op.50
・フルート・ソナタ イ長調 op.64
・メユールのロマンスによる
  変奏曲ト長調 op.14
・フルート・ソナタ ト長調 op.2-2

聴いてみると、いい音楽です。
フルート・ソナタという構成自体、
私のCD棚にはありませんでした。
柔らかなフルートの音色と
技巧的なピアノ・パートの絡み合いが
聴きどころです。
フンメルが
ピアノの名手だったからでしょうか、
ピアノが主役に躍り出ているように
感じられる箇所がいくつかあります。

このフルーティスト、マイニンガーの
他のCDも聴いてみたいと思い
検索してみて驚きました。
ほとんどが現代曲なのです。
フルート、ピアノ。チェロという
変則的な構成のトリオを組んで
(その名もマイニンガー・トリオ)、
クラシックとジャズの境界のような
作品を取り上げています。
これからぜひ
聴いていきたいと思います。

(2020.5.17)

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