ベートーヴェンと並ぶ家宝もの全集ボックス
バドゥラ=スコダの
ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集に
魅せられ、シューベルトの全集BOXも
買ってしまいました。
こちらも素敵な演奏の連続です。
シューベルト:ピアノ・ソナタ全集
シューベルト:
ピアノ・ソナタ
Disc1
第1番ホ長調D.157
第9番ロ長調Op.posth.147,D.575
第2番ハ長調D.279/346
Disc2
第5番変イ長調D.557
第10番ハ長調D.613/612
第7番変ホ長調
Op.posth.122,D.568
Disc3
第6番ホ短調D.566/506
第14番ハ長調D.840「レリーク」
Disc4
第3番ホ長調(5つのピアノ曲)D.459
第15番イ短調Op.42,D.845
Disc5
第8番嬰ヘ短調D.571/604/570
第16番ニ長調Op.53,D.850
Disc6
第4番イ短調Op.posth.164,D.537
第17番ト長調Op.78,D.894「幻想」
Disc7
第11番ヘ短調D.625/505
第18番ハ短調D.958
Disc8
第13番イ短調Op.posth.143,D.784
第19番イ長調D.959
Disc9
第12番イ長調Op.posth.120,D.664
第20番変ロ長調 D.960
パウル・バドゥラ=スコダ(fp)
録音:1991-1996年
前回も記したとおり、演奏している
パウル・バドゥラ=スコダは、
オーストリアのピアニストで
あるとともに音楽学者であり、
モーツァルト、ベートーヴェン、
シューベルトといった、いわゆる
ウィーン古典派音楽の専門家です。
ベートーヴェンの全集も
複数完成させているのですが、
このシューベルトも
2回目の全集録音となっています。
ベートーヴェン全集同様、
演奏は当時の楽器5台(すべて自らの
コレクション)を使い分けるという
こだわりようです。
ブックレットによると以下の通りです。
Donath Schofftos,Vienna,c.1810
(1,2,9,11)
Georg Hasska,Vienna,c.1815 (3)
Conrad Graf op.432,Vienna,c.1823
(10,12,17,18)
Conrad Graf op.1118,Vienna,c.1826
(4,5,6,13,14,19,20)
J.M.Schweighofer,Vienna,c.1846
(7,8,15,16)
ブックレットには
写真も掲載されていて、
モダン・ピアノとはその外見は
大きく異なることがわかります。
当然、その音色もモダン・ピアノとは
まったく異なります。
響きの少ないフォルテ・ピアノは
くすんだような枯れた味わいであり、
華やかさを求める方には
向かないと思います。
しかしバドゥラ=スコダの演奏は、
一生涯をかけた
研究の成果なのでしょう、
一音一音に意味を持たせたかのように、
旋律が心に染み込んでくるかのような
味わいがあるのです。
これまでシューベルトについては、
後半の有名曲をブレンデルやポリーニ、
リヒテル、内田光子らの演奏で
愉しんできました。
それらも素晴らしいのですが、
このバドゥラ=スコダも
表情の豊かさでは
決して引けを取っていません。
いや、むしろそれら以上です。
朴訥とした中に、
血の通った温かみを感じる演奏です。
シューベルトの音楽を、
丁寧に語り尽くしているのです。
シューベルトのピアノ・ソナタは
モーツァルト、ベートーヴェンの
それと比べたとき、印象が薄く、
これまであまり
手を伸ばしてきませんでした。
しかしこれならよく分かります。
シューベルトが自分の近くまで
歩み寄ってきたような
印象を受けました。
なお、本盤は、未完もしくは
一部紛失したソナタについては、
他の独立した曲を用いて
補完しています。
そしてこのCDに記載されている
ソナタの番号は、
現在おもに使われている番号とは
異なるので、注意が必要
(ドイチェ番号で確認)です。
ベートーヴェンBOXと
デザインも共通で、青と赤の一対の
ピアノ芸術といった趣を持っています。
買って正解です。
ベートーヴェンBOXともども、
わが家の家宝にしたいくらいの
名盤BOXです。
やはり、音盤は愉し、です。
(2024.6.16)
〔ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集〕
〔バドゥラ=スコダの音盤〕
〔シューベルト:ピアノ・ソナタ全集〕
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