ペルゴレージの「スターバト・マーテル」を聴く

ヌリア・リアルの歌声の魅力に浸って

ボッケリーニ
「スターバト・マーテル」の魅力に
心を奪われたのですが、
実は「スターバト・マーテル」に
曲をつけた作曲家は
600人以上に上るのだそうです。
古くはジョスカン・デ・プレから始まり、
現代曲でもアルヴォ・ペルトが
作曲するなど、
人気のある曲なのでした。
次に何を聴くか?
有名なところとしては、
やはりペルゴレージでしょう。

「Stabat Mater Pergolesi」

Stabat Mater Pergolesi

ペルゴレージ:
 スターバト・マーテル

ヌリア・リアル(S)
カルロス・メナ(C-T)
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指揮)

ドゥランテ:
 弦楽のための協奏曲第1番 ヘ短調

リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指揮)

ペルゴレージ:
 サルヴェ・レジーナ ヘ短調

カルロス・メナ(C-T)
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指揮)

録音:2005年

いくつかあるペルゴレージ
「スターバト・マーテル」の音盤の中で、
本盤を選んだのは、
ソプラノのヌリア・リアル目当てです。
私は彼女の歌声に
はまってしまっています。
DHM-BOXの
「ヘンデル:ドイツ語アリア集」で、
その歌声の美しさと
ジャケット写真の美貌に惹かれ、
注目してきました。
ここでもヌリア・リアルは
透明感溢れる美声を披露しています。
あざとさのまったくない歌唱は、
聖母マリアの清純な美しさにつながる
魅力を持っています。
3曲収録されている中の、
「スターバト・マーテル」1曲だけの
歌唱ですが、
それだけで十分すぎるほどです。

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もう一人の独唱者、
カウンター・テナーのカルロス・メナも
いい味を出しています。
私はあまりカウンター・テナーが
好きではなく、
メゾ・ソプラノが歌っている盤に
しようかと思ったくらいでしたが、
これは正解です。
聴きやすい声質であり、
なによりもヌリア・リアルと組んで
まったく違和感のない声です。
どこかで聴いた声だと思い、確認したら
先日取り上げた
カルダーラ「惑星の調和」にも
参加していました。
素敵なカウンター・テナーです。

この二人の表現が聴きどころでしょう。
ある部分では聖母マリアの悲しみを
十全に表現し尽くしているかと思えば、
長調部分では
天国的な美しさを響かせています。
それでいて表情過多にならず、
自然な形でまとめ上げているのです。
美しい音のドラマが
紡ぎ上げられていきます。

このペルゴレージ、
天才的な作曲家だったのですが、
幼少期から病弱で、脚も不自由であり、
なんと26歳の若さで病没しています。
本曲「スターバト・マーテル」は、
ペルゴレージの最後の作品であり、
キリストに向けられた
聖母マリアの悲しみは、
あたかも自身の悲しい運命に
捧げられたもののようにも思え、
涙を誘います。

1710 Pergolesi

本盤には、ペルゴレージが
「スターバト・マーテル」同様に、
最後に書き残した作品である
「サルヴェ・レジナ」も収録されています。
そのつなぎとして、
ペルゴレージの師であるドゥランテの
「弦楽のための協奏曲第1番」
(こちらは声楽を伴わない)が
挟み込まれているのですが、
悲しい雰囲気を一度リセットするための
間奏曲のように機能しています。
小品ながら、
こちらもチャーミングな一曲です。

そして「サルヴェ・レジナ」。
こちらも素敵な曲です。
本来はハ短調なのですが、
本盤にはその移調版(ヘ短調)が
採用されています。
独唱はカルロス・メナの方ですが、
こちらもヌリア・リアルが
歌っていたらと、
ついつい思ってしまいますが、
それはわがままというものでしょう。

一通り聴き終えると、
心が洗われるような素敵な一時間を
過ごすことができます。
ボッケリーニの「スターバト・マーテル」も
素晴らしいのですが、
このペルゴレージも美しい作品です。
現在、古楽による演奏盤が
数多くリリースされています。
他の盤も聴いてみたいと思います。
やはり、音盤は愉し、です。

〔Pergolesi 「Stabat mater」〕

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