サンスーシ宮のフルート音楽

まさに「一芸に秀でるものは多芸に通ず」

ヴァイオリンも好きです、
ピアノも好きです、
チェロももちろん好きです、
クラリネットも大好きです、
そしてフルートも好きなのです。
でも、なかなかありません、音盤が。
モーツァルト
フルート協奏曲ぐらいでしょうか、
メジャーなのは。
でも、古楽にはあります。
フリードリヒ大王が愛していたために。

DHM-BOX1

BOX2 Disc36
「サンスーシ宮のフルート音楽」

BOX2 Disc36

フリードリヒ大王:
 トラヴェルスフレーテと
  通奏低音のためのソナタ ホ短調
C.P.E.バッハ:
 トラヴェルスフレーテとチェンバロ・
  オブリガートのためのソナタ
  ニ長調 Wq.83
ベンダ:
 トラヴェルスフレーテとチェンバロ・
  オブリガートのためのソナタト長調
クヴァンツ:
 トラヴェルスフレーテと
  通奏低音のためのソナタ
   イ短調Op.1- 1
ハンス・マルティン・リンデ(Fl-tr)
ヨハネス・コッホ(Gamb)
フーゴ・ルフ(Cemb)
録音:1960年代前半

まずはこの音盤に
収録されている曲です。
すべてがトラヴェルスフレーテという
楽器のために創られている曲です。
トラヴェルスフレーテとは何か?
ネットを使っても「トラベルスプレー」が
上位検索されるくらい、
一般的には知られていないのですが、
もちろんフルートの原型です。

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このフルートの原型、
トラヴェルスフレーテを
こよなく愛したのが
かのフリードリヒ大王です。
多大な実績を上げた
国王(政治家)であり、
軍事的才能と国家経営に
その手腕を発揮し、
プロイセンの強大化に努めた人物です。
それでいながら、芸術にも造詣が深く、
フルート演奏をはじめとする
芸術的才能の持ち主でもあったのです。
なんと大王は、多作家であり、
フルート・ソナタだけをとっても実に
121曲に及ぶ作品を創作しています。
さらには学問にも明るく、
哲学者ヴォルテールとも親密に交際し、
全30巻にも及ぶ膨大な著作を著し、
哲人王とも呼ばれるほどの
名声を博した偉大な王様なのです。
まさに
「一芸に秀でるものは多芸に通ず」です。

この大王、大バッハとの交流もあり、
1747年(王35歳時)、
62歳の大バッハが
ポツダムを訪問した際、
王がバッハの即興演奏のために
与えたといわれるテーマを基に、
名曲「音楽の捧げもの」
創り上げたという
エピソードまであります。

1曲目に収録されている王の作品は、
しっとりと落ち着いた曲調で、
王宮で優雅な生活を送っている
王の作品とは思えない
枯れた味わいに満ちています。
以前取り上げた「vivarte-BOX」の中の
「フリードリヒ大王の宮廷音楽」
収録されている
王の作品もこの曲であり、
121曲の中でも
とりわけ優れた作品なのでしょう。

1712 FriedrichⅡ

本盤には、この
フリードリヒ大王自身の作品に加え、
王の住まったサンスーシ宮に
集められた音楽家たちの作品、
トラヴェルスフレーテによるソナタが
収められています。

2曲目に収録されたソナタの
C.P.E.バッハは、
もちろん大バッハの次男であり、
王に仕えていた音楽家です。
王は1712年生まれ、
カール・フィリップは2つ年下の
1714年生まれですので、
気心も知れていたのかも知れません。
王のソナタに比べて、明るく
テンポ感の良いのが特徴でしょうか。

3曲目ベンダは、
兄フランツの方ではなく、
13歳年下の弟ゲオルグです。
この曲は一層軽やかで明るい曲調です。
若さの溢れる溌剌とした曲であり、
もしかしたらこの曲がもっとも
宮廷音楽らしいともいえます。

4曲目の
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツこそ、
王の師匠である1697年生まれの
フルート奏者兼作曲家です。
ここで落ち着いた曲調に戻り、
このプログラムを締めくくります。
落ち着いた中にも
起伏に富んだ旋律が印象的で、
まさに本盤の最後に配置された
理由が分かる作品です。
カール・フィリップがチェンバロ奏者、
ベンダがヴァイオリン奏者で
あったのに対し、この
クヴァンツだけがフルート奏者であり、
フルートという楽器の特質を
よく押さえた曲ではないかと考えます。

LP時代の1960年代に録音された本盤、
4曲で44分という収録時間は、
CDにしてしまえばどうしても
盛りの悪さが感じられてしまいます。
加えてリンデの演奏は、
先ほど述べた音盤
「フリードリヒ大王の宮廷音楽」の
クイケンと比較すると、
どうしても古さを感じてしまいます
(クイケンはより闊達で淡泊な中にも
気品ある音色を響かせている)。

それはやむを得ないものとして、
本盤は古楽の出発点付近の音盤であり、
ここからトラヴェルスフレーテという
古楽器演奏が始まったことを考えると、
決して忘れ去られてよい音盤では
ないと思うのです。
この素敵な音盤を、
じっくり味わおうではありませんか。
やはり、音盤は愉し、です。

〔「フリードリヒ大王の宮廷音楽」〕

こちらの音盤もオススメです。

〔同じ企画の音盤〕
実は「フリードリヒ大王」もしくは
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フルートの音色を
じっくり味わいましょう。

(2023.7.2)

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