ドヴォルザーク「ルサルカ」を聴く

ルサルカと王子を、脳内劇場で演じさせる愉しみ

ドヴォルザークといえば
交響曲の8番9番が有名です。
あとは管弦楽もしくはピアノ曲の
「スラブ舞曲集」、そして
弦楽四重奏曲「アメリカ」でしょうか。
多くの分野で作品を
書き上げているのですが、
それ以外は印象が今ひとつ薄いのが
ドヴォルザークでしょう。
でも、このオペラ「ルサルカ」は
結構いけます。

ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」

Dvořák Rusalka

ドヴォルザーク:
 歌劇「ルサルカ」全曲

ルサルカ(水の精)
 …ルネ・フレミング(S)
王子…ベン・ヘップナー(T)
水の精…フランツ・ハウラタ(Bs)
イェジババ(魔法使い)
 …ドローラ・ザイーク(A)
外国の王女
 …エヴァ・ウルバノヴァー(S)
森番…イヴァン・クスニエル(Br)
皿洗いの少年
 …ズデナ・クロウボヴァー(S)
三人の木の精
 …リーヴィア・アーグホヴァー(S)
  ダナ・プレショウヴァー(S)
  ハナ・ミヌティッロ(A)
キューン混声合唱団
サー・チャールズ・マッケラス(指揮)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1998年

TVやBlu-rayなどを
じっくり見る時間がなく、
オペラはどうしても
CDを聴くだけになっています。
映像を観ないと
筋書きが理解できないのですが、
歌を聴きながら場面を想像するのも
それなりに愉しいものです。
ワーグナーをはじめとする
有名作品などはすでに映像を観ていて
筋書きを理解していますが、
それ以外のオペラは想像の世界です。
この「ルサルカ」もそうなのですが、
十分に愉しめます。

created by Rinker
Decca *cl*
¥3,587 (2024/02/28 20:54:52時点 Amazon調べ-詳細)
今日のオススメ!

筋書きは
アンデルセンの「人魚姫」なのです。
粗筋は分かりやすく、
その概略さえ頭に入っていれば、
あとは情景を想像できます。

第1幕
森の奥の湖に住む水の精ルサルカは、
ある日、人間の王子に恋をし、
魔法使いイェジババに
人間の姿に変えてもらう。
しかし、人間の姿の間は
話すことができないという制約と、
恋人が裏切った時には
その男とともに水底に沈むという
代償が付されていた。
美しい娘と身を変えたルサルカ。
彼女を見た王子は、
彼女を城に連れて帰り、結婚する。

第2幕
結婚の祝宴でも
口をきかないルサルカを、
冷たい女だと不満に思った王子は、
祝宴にやってきた
外国の王女に心を移してしまう。
祝宴の中、
居場所をなくしたルサルカが
庭へ出ると、彼女は水の精によって
池の中に連れ込まれてしまう。

第3幕
魔法使いは、元の姿に戻すには
裏切った男の血が必要だと語り、
ルサルカにナイフを渡す。
王子はルサルカを探して湖を訪れる。
王子はそこで妖精たちから
自身の罪を聞かされ、
ルサルカを呼ぶ。
王子はルサルカに
抱擁と口づけを求める。
二人は喜んで暗い水底へと沈んでゆく。

人魚姫ではなく
水の精であるという設定以外、
ほぼ「人魚姫」と大筋は一致します。
そしてそれぞれの幕が
50分前後であるため、
CD1枚に1幕という
きりのいい配置となるため、
場面の把握が容易になっているのです。

本盤も素敵な演奏が
繰り広げられています。
ルサルカ役ソプラノの
フレミングの歌唱が
聴きどころであるのは
いうまでもありません。
特に第1幕のアリア「月に寄せる歌」は
絶品です。
このトラックだけを何度も繰り返して
聴きたくなるくらいです。
テナー、ベン・ヘップナーも
素敵な王子役を演じています。
また、魔法使いや三人の水の精も
いい味を出しています。
指揮者マッケラスも
キビキビとした棒裁きで、
音楽をスムーズに進行させています。

1841 Dvořák

さて、Blu-rayを探してみると、
この決してメジャーとはいえない
オペラも、
それなりに映像化されていることが
分かります。
しかもそのジャケットには
何ともなまめかしいルサルカが
写し出されていて、
そそられてしまいます。
何度もBlu-rayを購入しようかと
迷ったのですが…。

〔映像のドヴォルザーク「ルサルカ」〕

created by Rinker
¥5,166 (2024/02/28 20:54:52時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥2,480 (2024/02/28 20:54:54時点 Amazon調べ-詳細)

オペラの場合、映像を観ても、
必ずしも感動するとは限らないのが
怖いところです。
特に歌のうまい歌手ほど、
得てしてその容姿や体型が
ヒロインと一致せず、
かなりの違和感を感じてしまうことが
少なくありません。
このルサルカも、水の精です。
水の滴るいい女でなければ、
その味わいが相当に
減じられてしまいかねません。

映像を観ずに、
音盤の歌だけから美しいルサルカと、
若々しい王子を
脳内劇場で演じさせた方が
愉しめるというものです。
オペラは、Blu-rayではなく
CDで愉しむべきものです。

〔音盤のドヴォルザーク「ルサルカ」〕

created by Rinker
¥6,281 (2024/02/28 20:54:55時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥2,737 (2024/02/28 20:54:55時点 Amazon調べ-詳細)

などと偉そうなことをいいながら、
Blu-rayへの思いを捨てきれないで
悶々としています。
いやいや、やはり、音盤は愉し、です。

(2023.3.19)

【関連記事:オペラ】

【今日のさらにお薦め3作品】

【こんな音盤はいかがですか】

created by Rinker
E1 Music
¥3,669 (2024/02/28 15:58:59時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥4,511 (2024/02/28 20:54:56時点 Amazon調べ-詳細)

コメントを残す