ラルキブデッリのハイドン

ハイドンは交響曲だけではない!

「vivarte 60CD collection」
中核を占めるのは、
やはりチェロのビルスマ率いる
名手集団ラルキブデッリです。
モーツァルトベートーヴェン
シューベルトの素敵な演奏が
収録されていますが、この
ハイドンの2枚も聴き応えがあります。

BOXⅠ Disc 50
ハイドン最後の弦楽四重奏曲

ハイドン:
 弦楽四重奏曲第81番ト長調
  Hob.III-81
 弦楽四重奏曲第82番ヘ長調
  Hob.III-82
 弦楽四重奏曲第83番変ロ長調
  Hob.III-83
 四重奏楽章「老人」Hob.XXVc-5

ラルキブデッリ
 ヴェラ・ベス(vn)
 ルシー・ファン・ダール(vn)
 ユルゲン・クスマウル(va)
 アンナー・ビルスマ(vc)
録音:1996年

まずは弦楽四重奏曲3曲を
収めた一枚です。
ハイドンは100曲以上の交響曲を
残しているのですが、
弦楽四重奏曲も80数曲を
作曲しています。
その最後の3曲となります。
なお、第83番変ロ長調Hob.Ⅲ-83は、
ハイドン最晩年の未完の曲
(第2、3楽章の未完成)となります。
病によってこれ以上の作曲は
困難と判断したハイドンは、
メヌエット楽章の最後に、
1796年に作曲された
4声の合唱曲「老人」の
冒頭部分(4小節)の歌詞
「わが力すでに萎えたり。
齢をかさぬ、力、衰えぬ」を
印刷するように指示しました。
この盤は、それにちなんで
最後に「老人」の短い楽章が
添付されています。
私はこの第83番について、
2枚のCDを所有
(フェステティチ四重奏団、
クイケン四重奏団)しているのですが、
それらは「老人」を収めてはいません
(調べてはいないのですが、
もしかしたらこの盤が初めてかも)。

演奏ですが、さすがラルキブデッリ、
見事なアンサンブルです。
古楽器であるため、
それぞれの楽器の紡ぎ出す旋律が
はっきりとわかります。
それでいて陰影に富み、
颯爽とした躍動感を生み出しながらも、
音色としては
枯れた味わいが感じられます。

BOXⅠ Disc 32
ハイドン:最後のピアノ三重奏曲集

ハイドン:
 ピアノ三重奏曲第27(43)番ハ長調
  Op.75-1Hob.XV-27
 ピアノ三重奏曲第28(44)番ホ長調
  Op.75-2,Hob.XV-28
 ピアノ三重奏曲第29(45)番変ホ長調
  Op.75-3,Hob.XV-29
 ピアノ三重奏曲第30(42)番変ホ長調
  Op.88,Hob.XV-30

ヴェラ・ベス(vn)
アンナー・ビルスマ(vc)
ロバート・レヴィン(fp)
録音:1992年

そしてもう一枚は、
ピアノ三重奏曲です。
ハイドンはピアノ三重奏曲の分野でも
多くの作品を残しましたが、
これはその最後の4曲となります。
こうして聴いてみると、
モーツァルトやベートーヴェンを
想起させるようなフレーズが
随所に聴き取れます。

ここで聴くべきはやはりレヴィンの
フォルテ・ピアノなのでしょう。
モダン楽器によるこれらの曲のCDを
所有していないため、
古楽器演奏がどのような新しい解釈を
生み出しているかは
私にはわかりません。しかし、
ハイドン特有の典雅な響きが
薄くなっている一方で、
転がるようなフォルテ・ピアノが
新鮮で溌剌とした雰囲気を
創り上げています。

弦楽四重奏曲については、
フェステティチによる
CD19枚組の全集を愉しんでいますが、
このピアノ三重奏曲についても
全集を購入する必要性を感じました。
ハイドンはどうも
「交響曲の父」と呼ばれたためか、
あるいは日本のクラシック業界が
交響曲に偏重しているためか、
これだけ豊富にある室内楽、鍵盤楽曲に
なかなかスポットが当たっていないのは
残念なことです。
ハイドンは交響曲だけでなく、
弦楽四重奏曲とピアノ三重奏曲も、
全集を味わうべきなのでしょう
(おそらくピアノソナタ全集も)。
やはり、音盤は愉し、です。

(2022.6.25)

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