ベルニウスによるシュッツとバッハ

二人の巨人の間に流れた100年の時間

古楽録音を集めた
「vivarte 60CD collection」
すべてが素晴らしいのですが、
とりわけ合唱作品が秀逸です。
ネーヴェル指揮の
ウエルガス・アンサンブル、
ルーラント指揮の
ニーダーアルタイヒ・スコラーレン、
それらの中世・ルネサンス期の
作品とともに、
ベルニウス指揮による
シュトゥットガルト室内合唱団による
バロック期の2枚の作品集が素敵です。

BOXⅡ Disc37
シュッツ:クリスマス物語

シュッツ:
 クリスマス物語 SWV.435
 イエス・キリストの復活の物語
  SWV.50

シュトゥットガルト室内合唱団
シュトゥットガルト・バロック管弦楽団
フリーダー・ベルニウス(指揮)
録音:1990年

BOXⅡ Disc3
バッハ:モテット集

J.S.バッハ:
 モテット集 BWV.225-229

アンドレア・エゲラー(S)
インガ・フィッシャー(S)
マルティン・ファン・デル・ジースト()
マルクス・ブルッチャー(テノール)
トーマス・ヘルベリヒ(バス)
シュトゥットガルト室内合唱団
シュトゥットガルト・バロック管弦楽団
フリーダー・ベルニウス(指揮)
録音:1989年

シュッツは1585年生まれ、
J.S.バッハは1685年生まれ、
ちょうど100年違いの
二人のドイツの作曲家。
この2枚を並べると、その間の100年が
なんとなく感じられてきます。

シュッツの「クリスマス物語」は、
第1曲と第10曲が4部合唱となり、
その間に8曲の「インテルメディウム」
(Intermedium)が配置されるという
構成になっています。
それら8曲の
インテルメディウムの中で、
救世主降誕の物語が進行していくという
構成になっています。

バッハの「モテット集」は、
通常BWV.225-230の6曲が
演奏されることが多いのですが、
本盤ではBWV.230が偽作として
収録されていません。

この2枚を聴き比べると、
当然のこととしてバッハの音楽に、
構成の複雑さや緻密さ、編成の厚み、
完成された形式美を感じてしまいます。
ではシュッツの音楽が
劣っているかといえば
そうではありません。
小規模ではあるものの、
各インテルメディウムにおいては、
福音史家の語りが通奏低音のみの
レシタティーヴォ形式
(語るような独唱)であるのに対し、
天使の台詞は器楽アンサンブルに
乗って語られるなど、その構成には
数々の工夫が凝らされています。
そこにはバッハが形式美を追求した
結果として失われてしまった
「自由度」が色濃く残っているのです。
シュッツの音楽の運びは
淡泊に感じられるかも知れませんが、
よくよく味わうとバッハの演出の方が
過剰に感じられてきます。

この2枚の比較が妥当なものでは
ないことは承知しています。
シュッツの「クリスマス物語」に対して
バッハの「クリスマス・オラトリオ」、
もしくは両者の「モテット」どうしを
比べるべきなのでしょう。
しかしほぼ同時期に
同じような音作りで録音された、
ベルニウスと
シュトゥットガルト室内合唱団による
この2枚は、このドイツバロック期の
二人の巨人の間に流れた
100年の時間を、まざまざと
提示しているように思われるのです。

何度も書きますが、
このvivarte-BOXは音楽の宝石箱です。
音楽史の流れを味わうことができます。
やはり、音盤は愉し、です。

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