レーピン&ベレゾフスキーのプロコフィエフ

両者まだ20代、エネルギーに満ち溢れた演奏

ヴァイオリン・ソナタという形式では、
ベートーヴェンの10曲とともに
私が愛好しているプロコフィエフ
以前取り上げたイブラギモヴァ
庄司紗矢香、ナタリア・ロメイコは
素晴らしい演奏なのですが、
こちらも魅力的な一枚です。

プロフィエフ
ヴァイオリン・ソナタ第1番 第2番

プロコフィエフ:
 ヴァイオリン・ソナタ
  第1番ヘ長調 op.80
  第2番ト長調 op.63
 5つのメロディ op.35bis

ヴァディム・レーピン(vn)
ボリス・ベレゾフスキー(p)
録音:1995年

一言で言うと、
情熱的でエキサイティングな演奏です。
レーピンは1971年生まれ、
ベレゾフスキーは
1969年生まれですから、
録音時は両者ともまだ20代、
エネルギーに
満ち溢れているあたりでしょう。

第1番の陰鬱な表情を、
両者は的確に再現しています。
ここではベレゾフスキーのピアノが
しっかりと
ヴァイオリンを支えているため、
レーピンがダイナミックに
旋律を弾ききることに成功しています。
ベレゾフスキーの上手さが
光る演奏であり、
この組み合わせでなければ
なしえなかったものと考えられます。

一方、第2番では、
レーピンのヴァイオリンが
伸びやかに歌っています。
近年のレーピンはなかなかに
骨太の演奏を展開しているのですが、
この頃はまだそこまでではなく、
むしろ高音の伸びの美しさが
魅力的です。
特に第1楽章の主題は
妖しいまでの美しさを湛えています。

両曲ともところどころで
ヴァイオリンとピアノが
激しくせめぎ合うような部分も見られ、
展開には緊張感が漂っています。
両者の技巧の高さが
現れている演奏です。

すでに録音から四半世紀以上が
経過してしまいました。
そろそろレーピンの
新しいプロコフィエフ録音を
聴きたいところです。
円熟味を増した現在のレーピンが
この曲を弾いたら、
演奏がどのように深化しているのか、
楽しみです。

〔追記〕
ベレゾフスキーですが、
昨今のロシアによる
ウクライナ侵略に絡み、
テレビ放送のトーク番組において、
効果的な攻撃方法を提案するなど
戦争容認の立場に立った不適切な発言が
物議を醸し出しました。
そのため現在では
所属事務所を解雇され、
そのキャリアの継続が
危ぶまれています。
類い希な音楽センスと技量を
持ち合わせたピアニストであり、
極めて残念なことです。
ロシアの暴挙はいろいろな人間の人生を
狂わせています。

(2022.5.1)

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