これは名曲だ!ボッケリーニのスターバト・マーテル

たった6人、このシンプルさが素晴らしい

前回、vivarte-BOXの
第1集に収録されている
ボッケリーニの盤2枚
(チェロ・ソナタ集、チェロ協奏曲集)

取り上げました。
実は第2集にも1枚収録されています。
それがこの盤です。
こちらもラルキブデッリによる
演奏ですので、
一緒に取り上げても良かったのですが、
当盤の目玉はチェロではなく
ソプラノなのです。

ボッケリーニ:スターバト・マーテル

ボッケリーニ:
 スターバト・マーテルOp.61
  (ソプラノと弦楽五重奏のための、
   1781年初版)
 弦楽五重奏曲ヘ短調Op.42-1
 弦楽五重奏曲ハ長調Op.42-2

ロベルタ・インヴェルニッツィ(S)
ラルキブデッリ
録音:2002年

宗教曲というと、ボッケリーニより
一時代前のバッハでさえ、
マタイ受難曲をはじめとする
大がかりなものを作曲していました。
ところがこのボッケリーニは
チェロ2本の弦楽五重奏伴奏による
ソプラノ独唱、
たった6人による演奏なのです。
このシンプルさが素晴らしいのです。

この「スターバト・マーテル」は、
日本語訳が「悲しみの聖母」。
わが子イエスが磔刑に処された際、
十字架の傍らに立っていた
母マリアが受けた悲しみを綴った
内容となっているのです。
このボッケリーニだけでなく、
ハイドン、ロッシーニ、
ドヴォルザークなども作曲しています。
ところがボッケリーニ以外は
数名の声楽ソリストと合唱団、
そして管弦楽伴奏と、
大がかりなものばかりとなっています。
その中でボッケリーニの
シンプルな構成のこの曲は
ひときわ異彩を放っています。

ボッケリーニを聴いたあとで
ロッシーニの「スターバト・マーテル」を
聴くと、やはり「劇場的」であり、
どこか他人事のような
「芝居の上での悲しみ」のように
感じてしまいます
(こちらはこちらで名曲なのですが)。
このボッケリーニのシンプルな構成は、
あたかも身近な人物からの
悲しみに満ちた告白を
聴いているかのようです。
重くなりすぎることはなく、しかし
その悲しみが心に直接響いてくるような
感覚があります。

ソプラノの
ロベルタ・インヴェルニッツィは
当盤で初めて知りました。
調べてみると、
古楽を得意とする声楽家であり、
ヘンデルのアリア集など、
素敵な録音を数多く残している
実力派なのでした。
当盤も感情をコントロールしながらも
表現力豊かに歌い上げています。
vivarteレーベル特有の
録音の良さもあり、
透明感ある歌声を
愉しむことができます。

併録されている2曲の弦楽五重奏曲も
聴き応えがあります。
ラルキブデッリの端正な演奏は、
優美な中に愁いを含んだ
ボッケリーニらしさを
十全に引き出しています。

素敵な一曲に出会うことができました。
ボッケリーニのスターバト・マーテル、
他の演奏も味わってみたいと思います。

(2022.3.12)

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