「四大元素」と「四季」

ルベルとヴィヴァルディ、斬新な組み合わせ

ヴィヴァルディの「四季」は、
それ1曲ではCDとしては
盛りが悪いため、
なにがしかのカップリングが
なされることが多い曲です。
ありがちなものはヴィヴァルディ
他のヴァイオリン協奏曲で
埋め草する例。
あとは同じ時期の作曲家の協奏曲を
付け加える例も見られます。
さらには「四季」がらみの作品、
例えばピアソラの
「ブエノスアイレスの四季」と
組み合わせた盤も散見されます。
そうした意味では
「これは見事」と唸らざるを得ません。
「四季」と「四大元素」。
単なる「4」繋がりではありません。

ベルリン古楽アカデミー
「四大元素」&「四季」

ルベル:
 「四大元素」
ヴィヴァルディ:
 「四季」

ミドリ・ザイラー(vn)
ベルリン古楽アカデミー
録音:2009年

まずはヴィヴァルディの「四季」ですが、
見事な名演です。
この曲の私見でのベスト3の一枚です。
古楽器特有の
枯れた音色でありながらも洗練され、
かつ刺激的な演奏は、
あまたあるこの曲の演奏の、
新たなる地平を切り拓いたといっても
過言でないと思います。

古楽団体の演奏では、クイケンと
ラ・プティット・バンドの演奏も
爽やかで美しい演奏と感じています。
またvivarte-BOXに収録されている
ラモンとターフェルムジーク管も
小気味よい演奏を披露していると
感じます。
ビオンディとエウローパ・ガランテ盤も
爽快です。
ホグウッド盤も忘れ去るわけには
いかないと感じています。そうした
並み居る古楽器演奏盤の中でも、
このベルリン古楽アカデミー盤は、
一頭地を抜いているように思うのです。
ヴァイオリン独奏のミドリ・ザイラーも
端正な音色を響かせています。

注目すべきは併録されている
ルベルの作品です。
ルベルは1666年生まれ、
ヴィヴァルディよりも10年ほど早く
生まれたバロック時代の作曲家です。
ところがCDを再生してびっくり、
この「四大元素」は
不可思議な不協和音から開始する、
現代音楽のような雰囲気で
始まるのです。
その後、旋律そのものは
バロックの雰囲気を湛えた
優雅なものなのですが、
ところどころに不協和音を
意図的に配置した(と思われる)
前衛的な作品なのです。
しかもこれで「バレエ音楽」、
踊り子たちはどのように演技したのか、
映像があれば
ぜひ観てみたい作品です。

本盤一枚、続けて聴くと、
ルベルからヴィヴァルディという
「古→新」の流れであるにもかかわらず、
「新→古」という時間の流れを
遡ったような感覚を覚えるから
不思議です。

このルベルの「四大元素」、
CDは他に3枚しか
見つけることができませんでした。
演奏機会の少ない曲なのでしょう。
その意味でも本盤は貴重です。

ヴィヴァルディの「四季」、
その演奏そのものからも、
そしてそのカップリング曲からも、
革新の波は止まるところを知らず
押し寄せています。
古くて新しい超有名曲「四季」からは、
当分耳を離せません。
音盤は、やはり「愉し」です。

(2022.3.6)

【当盤鑑賞に最適のSAKE】

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