ヴァイル&ターフェルムジークのハイドン交響曲集
今年5月に第1集、そして7月に第2集を
購入した「vivarte 60CD collection」。
注目はもちろんバロック以前の
「知らない作曲家たち」なのですが、
すでに知っている作曲家についても
新しい発見があり、
愉しみ続けています。
特にこのハイドンの交響曲。
新鮮な感動がありました。
Vol.1 Disc24
ハイドン:
交響曲第41番ハ長調Hob.I-41
交響曲第42番ニ長調Hob.I-42
交響曲第43番変ホ長調Hob.I-43
「マーキュリー」
Vol.1 Disc25
ハイドン:
交響曲第44番ホ短調Hob.I-44
「悲しみ」
交響曲第51番変ロ長調Hob.I-51
交響曲第52番ハ短調Hob.I-52
Vol.2 Disc22
ハイドン:
交響曲第82番ハ長調Hob.I-82「熊」
交響曲第83番ト短調Hob.I-83
「めんどり」
交響曲第84番変ホ長調Hob.I-84
Vol.2 Disc23
ハイドン:
交響曲第85番変ロ長調Hob.I-85
「王妃」
交響曲第86番ニ長調Hob.I-86
交響曲第87番イ長調Hob.I-87
ターフェルムジーク・バロック管
ブルーノ・ヴァイル(指揮)
録音:1992~1994年
ハイドンの交響曲は
こんなに愉しいものだったのか!
驚きを感じます。
全曲が爽快です。
指揮者・ヴァイルの押し進める
きびきびしたテンポ。
小編成ターフェルムジーク管による
見通しのよい演奏。
そしてvivarteレーベルならではの
優秀な録音。
すべてが極上の愉しみを
もたらしています。
しかしそれに加えて、
やはり取り上げた曲の魅力も
大きいのだと思います。
第1集の2枚が新鮮でした。
心が弾むような
祝典的雰囲気を湛えた第41番。
落ち着いた雰囲気の中に叙情的な
メロディが見え隠れする第44番。
複雑な構成の中に
面白さが潜んでいる第51番。
40番台50番台で注目すべきは
第45番「告別」だけだと
思っていたのですが、こんな
素敵な交響曲が隠れていたなんて。
第2集のパリ交響曲集も素敵です。
この段階になるとハイドンの交響曲は
古典的様式をしっかりと備えていて、
モーツァルトに通じるものが
見出されます。
一曲一曲に個性があり、
聴いていて飽きさせません。
そして愛称の付いている3曲よりも、
付されていない84・86・87番の方が
聴いていて面白さを感じてしまいます。
ハイドンの交響曲は
それなりに聴いてきたつもりです。
でもよく考えると、そのほとんどが
ロンドン交響曲集だったことに
思い当たります。
カラヤン、ヨッフム、ブリュッヘン、
ミンコフスキの録音で
愉しんできました。
しかしそれ以外の曲については
アダム・フィッシャーの交響曲全集から
つまみ食いをしていた程度です。
やはり多すぎるのです。
ハイドンの作曲した交響曲の数が。
そのため一曲一曲の「良さ」に気づかずに
過ごしてしまったのかもしれません。
さらにいえば、
ハイドンの交響曲における「名曲」は、
ロンドン交響曲集12曲という
思い込みが強かったのかもしれません。
こうして聴いてみると、
ロンドン交響曲のうちの数曲が
仮になくなったとしても、
こうした曲を加えて
ハイドン「名曲群」が
出来上がるのではないかと思うのです。
急いでハイドンの交響曲を
聴き直さなくては。
手元にはアダム・フィッシャーの
素晴らしい全集があるのですが、
世の中にはまだまだ素敵な名盤が
隠れているのでしょう。この
「vivarte 60CD collection」120枚に
収録されなかった
ターフェルムジークのハイドン交響曲は
まだ3枚もあるのです。
これらも聴いてみたくなりました。
また、ALPHAレーベルからは
アントニーニのハイドン交響曲
全曲録音プロジェクトが進行中です。
こちらもまだ
手を出していないのですが、
大きな魅力を感じています。
ゆっくりと
愉しんでいきたいと思います。
(2021.12.4)
【当盤鑑賞に最適のSAKE】
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※私が聴いているロンドン交響曲集