ブクステフーデ「最後の審判」

魅力と聴きどころに満ちた作品

今年になってから購入した
「vivarte 60CD collection」
第1集第2集ですが、
宗教曲の大作も
いくつか収録されています。
本盤はその一つ、ブクステフーデ
オラトリオ「最後の審判」です。
Disc1・Disc2合わせて
2時間以上にわたる演奏です。

ブクステフーデ:
 オラトリオ「最後の審判」

ラ・カペラ・ドゥカーレ
ムジカ・フィアタ・ケルン
ローランド・ウィルソン(指揮)
録音:2005年

ブクステフーデは
17世紀ドイツの作曲家です。
教会オルガン奏者であったため、
その作品は声楽曲・鍵盤楽曲が
中心となっているようです。
本盤に収録されている
オラトリオ「最後の審判」は、
ブクステフーデの作品全集を完成させた
トン・コープマンによる録音と、
コルデスという指揮者による
抜粋盤が1つ見つかるだけですから、
珍しい作品なのでしょう。
調べてみるとこの作品は
いわゆる「疑作・偽作」であり、
それが影響しているのかもしれません。

しかしながら
作品は素晴らしい出来映えです。
バッハやヘンデルの聴き慣れた
いくつかのオラトリオと比較すると、
一つ一つの曲が短くまとめられてあり、
わかりやすい旋律がいくつも現れ、
親しみやすいものとなっています。
また、編成も簡素で
重々しくなっていないのが魅力です。
キリスト教や聖書に
詳しくない私にとっては
何を表現している場面かは
理解できませんが、
場面転換と思われる箇所も多く、
曲調がところどころで変化します。
それによって次から次へと
聴きどろろが現れてくるように
感じられます。
2時間という大作でありながら
飽きることなく
聴き通すことができます。
まさに魅力と聴きどころに満ちた
作品なのです。

古楽アンサンブルである
ムジカ・フィアタ・ケルンおよび
その併設団体・声楽アンサンブルの
ラ・カペラ・ドゥカーレによる演奏は、
清楚を極めていて、心地よい響きが
スピーカーから広がります。
ムジカ・フィアタ・ケルンの盤は、
「vivarte 60CD collection」には
本盤以外には
2点収められているだけですが、
他のレーベルからは
現在も続々と録音が登場しています。

古楽への興味をかき立てられる
演奏であることは間違いありません。
一聴の価値があるのですが、
本BOXも単独発売のCDも、
現在廃盤となっていて
中古での入手しができないのが
残念なところです。

(2021.11.13)

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