オマケ?無視していいような演奏ではありません
はじめはオマケぐらいにしか
考えていませんでした。
ピアノ協奏曲全集の。
インマゼールの演奏が好きになり、
それで購入した
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
CD3枚組。
3枚目の「皇帝」とともに
カップリングされていたので、
つい「埋め草」かな?と思って
スルーしていました。
その後に買った
「vivarte 60CD collection Vol.2」に
収録されていたので
改めて聴いてみると、
かなり特徴的な演奏であることに
気づかされました。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第5番
変ホ長調Op.73「皇帝」
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
ジョス・ヴァン・インマゼール(fp)
ヴェラ・ベス(vn)
ターフェルムジーク・バロック管
ブルーノ・ヴァイル(指揮)
ピリオド楽器らしい、
颯爽とした演奏です。
これほど軽快に進行していく
ベートーヴェンvn協奏曲も
なかなかありません。
ヴァイルとターフェルムジークによる
エッジの効いた演奏が、
本盤の聴きどころといえましょう。
もしかしたらベスのヴァイオリンが
弱いと感じる方も多いかもしれません。
録音の関係なのか、
古楽器特有の音色のせいなのか、
それとも私の所有する
システムの問題なのか、
ヴァイオリンがオケよりも
やや引っ込んでいるように
聞こえるのです。
でもいい味を出しています。
バロック・ヴァイオリンの
ひなびた音色は、
慣れてしまえばやみつきになります。
小編成の
室内楽的オーケストラと相まって、
味わい深い響きを創り上げています。
このヴァイオリニストのヴェラ・ベスは
チェロの名手・
アンナー・ビルスマの奥様、
室内楽作品でも
いい音を響かせていた方です。
そして聴き慣れないカデンツァが
現れるのですが、
調べてみると何とビルスマ作。
おそらくはこの盤が
唯一無二のカデンツァであるはずです。
無視していいような
演奏ではありませんでした。
素敵な演奏なのですが、
ピアノ協奏曲全集、それも「皇帝」との
カップリングであることで
目立たなくなっているのが
気の毒になるようないい演奏です。
もしこの演奏が単独で、
それもロマンス1番2番とともに
出されていたとすれば、
評価や評判は
もっと芳しいものになっていたに
違いありません。
ピアノ協奏曲全集については
以前取り上げました。
ベスの演奏による
ヴァイオリン協奏曲の方を、
「vivarte 60CD collection Vol.2」の
中の素敵な一枚として
取り上げた次第です。
やはり音盤は愉し。
(2021.10.30)
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