モーツァルトとジュスマイヤーのレクイエム

問題はジュスマイヤー

15年ほど前に出されて
欲しいと思いながらも見逃してしまい、
後悔していたCDを
ようやく手に入れることができました。
本盤「モーツァルトとジュスマイヤーの
レクイエム」です。

モーツァルト&ジュスマイヤー
「レクイエム」

モーツァルト:
 レクイエム
  (ジュスマイヤー補筆完成版)

 録音:2003年
ジュスマイヤー:
 レクイエム

 録音:2004年
マリア・イェッテ(S)
ジェニファー・ラモーア(M)
ジェームス・テイラー(T)
エリック・オーウェンス(B)
セント・オラフ合唱団
セント・ポール室内管弦楽団
アンドレアス・デルフス(指揮)

ジュスマイヤー
モーツァルトの未完のレクイエムの
補筆完成者として有名ですが、
その作品は埋もれたままです。
ジュスマイヤーの作品、
それもレクイエムがモーツァルトの
それとカップリングされた本盤を、
ようやく入手できました。
さっそく聴いてみました。

モーツァルトのレクイエムですが、
重くなりすぎずにやや速めのテンポで
小気味よく突き進むあたりは
現代的であり、好感が持てます。
モーツァルトらしさが
よく現れています。
だからといって速すぎることもなく、
ラクリモサあたりは
じっくりと演奏しています。
ソリストたちも
技能的に劣っている点は見当たらず、
まずまず及第点でしょう。
今後、長く付き合えそうな演奏です。

問題はジュスマイヤーの作品です。
モーツァルトの弟子であり、
師匠の作品を補筆完成させた
その腕前とは、いかばかりか?

明るいのです。
明るい曲調のレクイエムなのです。
いや、レクイエムが明るくては
いけないとは思っていません。
モーツァルトのレクイエムとて、
ところどころにモーツァルトらしい
明るさが数多く
入り込んでいるのですから。
でも、明るさの「質」が
違うように思えるのです。
モーツァルトが計算し尽くされた
「天才的な明るさ」だとすれば、
ジュスマイヤーのそれは
「脳天気な明るさ」のように
感じられてならないのです。

果たしてこの弟子が
師匠の作品を補筆してよかったのか?
それは昔から様々な学者たちによって
問題提起され、
それが現代の数多くの補筆版の完成に
繋がっているのです。
私にはこのジュスマイヤーが
モーツァルトの未完作品を
モーツァルトらしく
補筆できるだけの技量があったとは
どうしても思えません。
このレクイエムを聴く限り。

しかしながら、
モーツァルトの側で生き、
モーツァルトと同じ時代の空気を吸い、
モーツァルトと
もっとも人間的に接した人物が
ジュスマイヤーであることを考えると、
彼の補筆が後の世の学者たちの補筆に
まったく劣っていると考えることが
できないのもまた当然のことなのです。
現代に生きる私たちは、
ジュスマイヤーの残した版と、
バイヤー版をはじめとする様々な版を、
意識的に楽しむことこそが
大切なのだと思います。

ジュスマイヤーの
「脳天気な」レクイエム。
これも音楽の楽しみの一つの形です。
Amazonでたまたま残っていた一枚、
「最後の一枚価格」、1,132円で
入手することができました。
定期的にAmazon探検をしていると、
貴重な盤が見つかるものです。

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