グルックの歌劇「オルフェオとエルリディーチェ」

カウンター・テナーと古楽器演奏が聴きどころ

先日購入したCD-BOX
「vivarte 60CD collection」
第1集・第2集通じて、
オペラはこの1組だけです。
書斎のCD棚のオペラは、
ワーグナー、ヴェルディ、
モーツァルト、プッチーニという
あたりが占めていて、
グルックのこの曲は
かろうじて1組あるだけでした。
ところがその1組の演奏とは、
聴いた印象が大きく異なります。

グルック:
歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」
 全曲(1762年ウィー
ン版)

マイケル・チャンス(C-T)
ナンシー・アージェンタ(S)
シュテファン・ベッカーバウアー(B-S)
シュトゥットガルト室内合唱団
ターフェルムジーク・
 バロック・オーケストラ
フリーダー・ベルニウス(指揮)
録音:1991年

本盤の大きな特徴は、歌手の起用が
他と大きく異なることでしょう。
この曲は
シンプルな構成のオペラであり、
登場人物は「オルフェオ」
「エウリディーチェ」「愛の女神」の
3人しかいません。
「オルフェオ」については多くの場合、
テナーかメゾソプラノ歌手が
起用されていますが、
本盤ではカウンター・テナーの
マイケル・チャンスが歌っています。
本来カストラートが歌うことを
想定して作曲されたのですが、
カストラートが好まれなかった
パリでの演奏に際して男性声域に
改編された経緯があるのです。
この盤では、原典版である
1762年ウィーン版を採用、
カウンター・テナーの
マイケル・チャンスののびのある歌声が
愉しめるしくみになっているのです。

また、「愛の女神」には
ボーイ・ソプラノを起用、
純粋無垢な印象の歌声を
堪能させてくれます。
もちろん「エウリディーチェ」の
ソプラノ・アージェンタも
素晴らしい出来映えです。

もう一つ特徴的なのはもちろん
古楽器演奏であることでしょう。
今となってはこの曲の古楽器演奏も
珍しくはないのでしょうが、
本盤録音時の1991年段階では
クイケンが1981年に演奏した
盤ぐらいではなかったかと思われます。
パリ演奏での改編の際、
オーケストレーションにも
厚化粧が施されていきました。
したがってパリ版での演奏は
ロマンティックな表現のものが多く
(それはそれで意味があるのですが)、
この曲本来の姿から
乖離したものであることは確かです。
ベルニウスとターフェルムジークは、
それらをすべて洗い流し、
この曲の素顔に
迫っているものといえます。

古楽器演奏はいろいろなことに
気づかせてくれます。
やはりこのBOXに収められた盤は
価値の高いものばかりです。
この盤でこの曲が好きになりました。
まさに「音盤は愉し」です。

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