耳に残るメロディ、心に残る詩。
日本の合唱曲が大好きで、
CDもいくつか持っています。
この寺島尚彦の作品を集めた当盤も、
私の大好きなCDであり、
何度も聴いています。
「さとうきび畑の思い出」
寺島尚彦合唱作品集
01 小さな協奏曲
02 ことりがそらを
03 さあ!!
04 ぼうし
05 海の比喩
06 街は大きくなりすぎた
07 風のマーチ
08 百日紅
09 海を見たくない今は
10 鎌倉は子守歌
11 風のたんぽぽ
12 野菜サラダ物語
13 この日
14 雨よふれ
15 レクイエムのように子守歌
16 さとうきび畑
17 音楽会の菫
平松剛一(指揮)平松混声合唱団
〔fontec〕EFCD4091
寺島尚彦の作品の特徴の一つは、
メロディのわかりやすさにあります。
そのまま独唱曲として歌っても
成立する曲ばかりです(その分
合唱曲そのものの面白みが少ないとも
いえるのですが)。
一度聴いて耳に残る旋律であり、
合唱曲に慣れていない方でも
十分に愉しめるはずです。
もう一つ、寺島作品の多くは、
自身の書いたテキストに
曲を付けているのです(つまり
作詞作曲:寺島尚彦)が、
この歌詞もまた
心に残る詩ばかりなのです。
耳に残るメロディ、
心に残る詩、
だから寺島尚彦の合唱作品は
素晴らしいのです。
収録されている17曲すべて
美しい曲なのですが、
中でも「さとうきび畑」は名作です。
森山良子の歌で知っている方が
多いのではないかと思います。
多くの場合ショート・ヴァージョンで
歌われるのですが、
曲自体は演奏に11分もかかる大作です。
これを合唱曲として聴いて始めて、
この曲の本当の姿が
わかるというものです。
合唱というと、中学校の
音楽の授業ばかりが思い浮かび、
「CDで聴く音楽」とは
感じていない方の方が
多いと思われます。
しかし日本の合唱は紛れもなく
日本文化の一部分を創り上げている
貴重な存在だと考えます。
こうしたCDがもっと一般的に
聴かれるようになればいいなと思う
今日この頃です。
(2021.5.16)