ワイズマン「いろいろな声」

新しい時代の「管弦楽入門」

愉しいCDが
NAXOSレーベルにありました。
ワイズマン作曲の
「いろいろな声
~子供のための管弦楽入門」です。
「子供のための」とありますが、
子どもが聴いて面白いものは
大人が聴いてももちろん面白いのです。

ワイズマン
「いろいろな声
 ~子供のための管弦楽入門」

ヘイリー・ウェステンラ(独唱)
スティーヴン・フライ(語り手)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
デビー・ワイズマン(指揮)

「管弦楽入門」といえば、
ブリテン作曲の
「青少年のための管弦楽入門」が
あります。
でも作曲されたのは1945年。
日本語解説が書かれている
オビを見ると、
このブリテンの「管弦楽入門」に代わる
作品が生まれても
良い時期ではないかという提案に、
イギリスの女流作曲家
デビー・ワイズマンが
応えて生まれたのが
本作品とのことです。

ショッピングセンター建設のために
潰されかかった公園。
2人の女の子・エリーとジョーが、
それを建設業者の手から
守ろうとする物語を、
子どもにもわかるように
管弦楽で表現しているのです。
筋書自体はナレーターが
概ね語るのですが、
登場人物たちをフルート、ヴァイオリン、
ハープ、ピアノなどの旋律が表現し、
管弦楽が彩ります。
そして3カ所に挿入される歌が
美しい限りです。
ウェステンラの透き通るような美声が
絶品です。

難しそうな曲を
いかにも難しく演奏するのが
クラシック音楽と思われがちですが、
こんな愉しくわかりやすい曲も
あるのです。
本CDは演奏会の
ライブ収録のようですが、
ロイヤル・フィルの楽団員たちが
笑顔で愉しそうに演奏し、
それをおそらくは会場に
たくさん招かれている子どもたちが、
やはり笑顔で愉しそうに
聴いている風景が目に見えるようです。

本CDの発売は2009年。
10年以上前に出ていたのですが、
今まで気付きませんでした。
全くの不勉強です。
もっともっとアンテナを
高くしていかなければと
反省した次第です。

※YouTubeでも
 一節が紹介されています。

(2021.3.14)

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