「FUGATO」エステレ・レヴァーツ
以前「バッハ&フレンズ」というCDを
取り上げて、
エステレ・レヴァーツを紹介しました。
そのとき「できれば彼女の
本格的な演奏を聴いてみたい」
そして「調べたら、すでに
チェロ・ソナタを組み合わせた盤が
リリースされてい」て、
「こちらも近いうちに聴いてみたい」と
書きました。
さっそく購入し、聴いてみました。
「FUGATO」エステレ・レヴァーツ
・ベートーヴェン:
チェロ・ソナタ第5番
・ブラームス:チェロ・ソナタ第1番
・R.シュトラウス:チェロ・ソナタ
エステレ・レヴァーツ(vc)
フランソワ・キリアン(p)
ドイツロマン派の大物作曲家3人の
チェロ・ソナタという王道中の王道、
それも時代順に並べ、
チェロ・ソナタ史を俯瞰するという、
新人チェリストとは思えないような
大胆な試みです。
1曲目のベートーヴェンですが、
ベートーヴェン・イヤーと
いうこともあり、
カピュソン/ブラレイ盤、
ガスティネル/ギィ盤、
フルニエ盤等、新旧の録音を
この一年ずっと聴いてきたせいか、
なんとなく物足りなく感じました。
録音のせいもあるのかも知れませんが、
音に伸びやかさがなく、
全体的に深みが感じられませんでした。
ところが2曲目のブラームスは
いい形で音楽が進行していきます。
チェロの音に
伸びやかさと艶やかさが現れてきます。
決して重くなりすぎず、
ブラームスの旋律が歌われていきます
(重厚なブラームスが好きな方には
合わないかと思いますが)。
そして3曲目のシュトラウス。
実は今まで聴いたことがあったかどうか
記憶になかったのですが、
調べたらロストロポーヴィチ盤を
持っていました(聴いたことはあったに
違いないのですが
記憶には残っていません)。
従ってこの演奏について
述べることはできないのですが、
彼女のチェロの音は、
この曲で一層艶やかに華やかに
なっていると感じられます。
全体的な印象としては、
「まだまだやんちゃなお嬢さん」という
感じがしました。
もしかしたら彼女にとっては、
ロマン派のメジャーな曲よりも、
近現代の音楽の方が
肌に合っているのかも知れません。
いやいや、それよりも
彼女の奏でるチェロ協奏曲を
早く聴いてみたいと思います。
ショスタコーヴィチあたり、
出してくれないものでしょうか。
いずれにしてもこれからが楽しみな
若い美人なチェリストです。
※YouTubeで
プロモーションビデオの
ようなものが公開されています。
※なお、このCDもAmazonで
384円というとんでもない値段で
購入できました。
(2021.1.3)