録画しておいてよかった!
前回取り上げた
フリューベック・デ・ブルゴスの
ベートーヴェン交響曲全集の
BD映像を、ここ2週間ばかり
繰り返し観ていました。
で、NHK-BSで放送していた
ブロムシュテットのベートーヴェンを、
1ヶ月ばかり前に
録画したままにしていたことを
思い出した次第です。
観てみました。
こちらも素晴らしい演奏です。
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第1番ハ長調op.15
交響曲第2番二長調op.36
交響曲第3番変ホ長調op.55「英雄」
アルゲリッチ(p)
ルツェルン祝祭管弦楽団
ブロムシュテット(指揮)
2020年8月14・15日収録
ルツェルン文化会議センター
2020年10月18日放送
NHK-BSPプレミアムシアター
ブロムシュテットって
今いくつだっけ?
確認してみたらなんと93歳!
それでいて
なんともはつらつとした演奏です。
フリューベック・デ・ブルゴス同様に、
決して遅くなったりはしていません。
いや、むしろ
ベートーヴェンの指定したテンポを
守っているのでしょう、
全編が弛緩するところなく
小気味よく流れていきます。
ピアノ協奏曲第1番のピアニストは
なんとアルゲリッチ。
こちらも79歳。
ここ何年かの音楽祭関係での演奏では
若々しいタッチで楽しそうなピアノを
披露していますが、
この映像を見る限りは
むしろ落ち着いてどっしり構えた演奏を
聴かせてくれます。
特に第2楽章の美しさは
なんともいえません。
続く交響曲第2番は、
きびきびとした進行の中にも、
ベートーヴェンらしい重厚な構造が
現れていて、風格を感じさせます。
ブロムシュテットが
ルツェルン祝祭管から
瑞々しい音を引き出しています。
第3番も同様です。
第一楽章冒頭などは
弾けるようなリズムで躍動感に
満ちあふれた音楽が響き渡ります。
ブロムシュテットの
ベートーヴェンといえば、
1970年代後半に録音された
シュターツカペレ・ドレスデンとの
交響曲全集が有名ですが、
彼の音楽は進化を続けているのです。
ピリオド奏法的な表現も取り入れ、
決して時代に
取り残されてなどいません。
それでいて奇を衒わずに
正攻法で組み上げる音楽は
深い感動を呼び起こします。
コロナ渦での音楽再開の記録としても
重要な映像録音です。
録画しておいてよかった!
なお、YouTubeでも
一部が公開されています。
(2020.11.15)