ショスタコーヴィチ&ヴィクトローヴァ
あまり深く考えずに
買ってしまったのですが、
聴いてみるとなかなかいい盤でした。
ドミトリー・リスは
ロシアの指揮者のようで、
調べてみるとドミトリー・キタエンコに
指揮法を学んだとありました。
2016年からこの
南ネーデルランド・フィルハーモニー
管弦楽団の首席指揮者と
なっているとのこと。
ヴィクトローヴァ:東方青龍
ショスタコーヴィチ:
交響曲第10番ホ短調 Op.93
南オランダ・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス(指揮)
〔Fuga Libera〕FUG756
聴きどころは1曲目「東方青龍」です。
10分足らずの小曲ですが、
タイトル通り
エキゾチックな雰囲気を湛えています。
作曲者・ヴィクトローヴァは、
これも調べてみると指揮者リスの
パートナーなのだそうです。
2015年に
リス指揮ウラル・フィルによって
初演が行われた作品ということで、
リスにとってはこちらの曲の方が
本命なのかも知れません。
もう一つの
ショスタコーヴィチの10番は、
スマートな演奏です。
一頃ロシアものに多く見られた
いわゆる「爆演系」とは
対極にあるような演奏であり、
そうしたものを期待して聴くと
肩透かしを食らうはずです。
「強弱」については
大きな起伏を創ろうとは
していないのでしょう。
その一方で、「緩急」については
やや変化に富んだ演奏です。
各楽章とも概してテンポが速く、
すいすいと進んでいくのですが、
第2楽章の冒頭や第4楽章などは
ゆったりとしていて、
その差が大きいように感じます。
もしかしたら先入観を排して
楽譜に忠実に向き合えば
このような演奏になるのではないかと
思われるような出来映えです。
私は結構気に入りました。
さて、本CDですが、つい先日、
Amazonで新品が
わずか 357円 (送料込み)で
購入できました。
数日前までは
2000円近くしていたのですが。
在庫一掃セールの一環だったのかと
思いましたが、最近ではまた
2000円程度の値段で販売しています。
CDの値段というのは
よくわかりませんが、
この値段だからこそ、
未知のCDに手を出すことが
できるのです。
クラシックCDの世界は、
だからまだまだ面白くて
止められないのです。
(2020.11.2)