私のイメージする一ノ瀬カイ的ピアニスト

H.J.リム:ベートーヴェン・ピアノソナタ全集

漫画「ピアノの森」が大好きす。
映画、そして
NHKのアニメ化まで果たした
素晴らしい作品です。
内容については省略しますが、
全26巻を何度となく読み返した今、
ふと思います。
主人公の型破りな天才的音楽青年・
一ノ瀬カイのような演奏をする
ピアニストは、現実世界に
すでに登場しているのではないかと。

H.J.リム:
ベートーヴェン・ピアノソナタ全集
〔EMI〕

実はこのピアニストの演奏が、
一ノ瀬カイの演奏に近いのではないかと
思うのです。

CD1 Heroic Ideas~英雄的思想
・第26番op.81a「告別」
・第11番op.22
・第29番
  op.106「ハンマークラヴィーア」
CD2 The Eternal Feminine
    ~永遠に女性的なもの
・第4番op.7
・第9番op.14-1
・第10番op.14-2
・第13番op.27-1
・第14番op.27-2「月光」

ネットで調べてみると、
このH.J.リムは、
本名イム・ヒョンジョン(임현정)。
12歳で韓国から単独でフランス留学、
パリ国立高等音楽院を首席で卒業。
ピアノ演奏を韓国の家族に見せようと
YouTubeに動画をアップしたところ、
たちまち話題となり、
2011年EMIクラシックスと専属契約、
2012年当盤でCDデビュー。
何とも現代的な登場の仕方です。

CD3
Aspects of an Inflexible Personality
~確固たる個性の形勢
・第1番op.2-1
・第2番op.2-2
・第3番op.2-3
CD4 Nature~自然
・第25番op.79
・第15番op.28「田園」
・第22番op.54
・第21番op.53「ワルトシュタイン」

聴いてみると驚きます。
これまでのベートーヴェンとは
印象がまるで異なります。
ショパンを聴いているような
錯覚さえ覚えます。
流麗かつ自由。
「ベートーヴェンかくあるべし」のような
既成の観念を打ち破るものです。

CD5 Extremes in Collision
    ~衝突する両極
・第5番op.10-1
・第6番op.10-2
・第7番op.10-3
CD6 Resignation and Action
    ~諦観と行動
・第16番op.31-1
・第17番op.31-2「テンペスト」
・第18番op.31-3
・第28番op.101

「ピアノの森」第11巻に
カイがベートーヴェンの
ピアノソナタ「月光」を
弾く場面があります
(ベートーヴェンを弾く場面は
この1度きり)。
「荒削りで大胆で、それなのに切なく」
「少しもカンペキな
 ピアノじゃないのに
 こんなにも愛おしい」
「荒削りだが何とも新鮮だ
 優等生の俺たちには
 持って来いのカンフル剤」
などの表現が並んでいます。

CD7 Eternal Feminine-Maturity
   ~永遠に女性的なもの、成熟期
・第24番op.78「テレーゼ」
・第27番op.90
・第30番op.109
・第31番op.110
CD8 Destiny~運命
・第8番op.13「悲愴」
・第12番op.26
・第23番op.57「熱情」
・第32番op.111

リムの演奏は
まさにそんな感じなのです。
眼から、いや耳から鱗。
新鮮な感動です。
やはりカイのような演奏家は
出現しているのです。

過去の名盤集めなど
している場合ではなかった、
CDを聴く時間には限りがあるのだから
もっともっと未来に向けた
演奏を聴くべきだった、
今、そう反省しています。

※作品49の2曲が省かれています。
 この2曲は
 作曲者の意に反して出版されたので、
 ソナタの「main cycle」から
 はずしたとのことです。

※リムの「月光ソナタ」は
 YouTubeでも
 演奏を聴くことができます。

※アニメ「ピアノの森」は
 実は観ていません。
 観てしまうと自分のイメージした
 一ノ瀬カイの音が
 崩れてしまいそうで。

(2020.7.26)

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