美しいメロディに満ちあふれたチェロ協奏曲

クラシックCDこの曲ベスト3 File-016

ドヴォルザーク・チェロ協奏曲ロ短調Op.104

新世界交響曲と同様、
ドヴォルザークの傑作の一つです。
さらにはチェロ協奏曲の
最高傑作でもあります。

この曲はドヴォルザークらしい、
美しいメロディに満ちあふれています。
初めて聴く方でも、すぐ好きに
なれるのではないかと思います。
チェロの独奏も管弦楽パートも
共に雄大なスケールであり、
それがボヘミアの自然を連想させ、
聴き手を魅了していきます。
ついつい買ってしまって、
今ではこの曲のCDを
何枚持っているやら。
最近好んで聴く3枚を
取り上げてみました。

ピエール・フルニエ盤
セル指揮ベルリンフィル演奏

この曲の決定版といえる演奏です。
フルニエの気品に満ちた
美しいチェロの音色に
酔いしれてしまいます。
ジャケットも芸術的であり、
音楽の雰囲気を
しっかりと伝えています。

ゴーティエ・カプソン盤
ヤルヴィ指揮フランクフルト放送響演奏

最近の録音で
もっとも惹かれた演奏です。
カプソンのチェロはフルニエ同様、
美しさに満ちています。
かつキレがあるのです。
そしてヤルヴィの指揮による演奏も
切れ味抜群。
ボヘミアのにおいは薄いものの、
その分、曲の構成がよくわかる
緻密な演奏となっています。

オーフラ・ハーノイ盤
マッケラス指揮プラハ響演奏

併録されている作品と共に
CDを通して聞くと、
ボヘミアの森の香りが
感じられてくる演奏です。
十数年前にジャケット及び
演奏者の美しさに魅せられ購入し、
以来愛聴している一枚です。

フルニエ盤があまりに決定的すぎて、
アナログ時代のあまたの演奏は、
私の感覚の中では
フルニエ盤に
集約されてしまっています。
もちろんフルニエの他の演奏
(他に3種類所有しています)も、
ロストロポーヴィチも、
ピアティゴルスキーも、
シュタルケルも、
カザルスも、
みな味わい深い名演です。

最近の録音では、
ワイラースタインという
女性奏者のCDも気に入っています。
カプソンと甲乙つけがたいのですが、
彼女とハーノイ盤を
共にあげてしまうと、
いかにもチェリストの美貌だけで
選んだかのように見えてしまうので
避けました。

3枚目にあげたハーノイ、
残念ながら近年は
全く新盤を出していません。
もう引退したのでしょうか。
80・90年代に録音された彼女の盤を
少しずつ集めている最中です。

他にも先鋭的なケラス盤、
重い重い演奏のマイスキー盤、
熱く激しいデュ・プレ盤
(3種持っています)も、
それぞれに聴き所があり、
捨てがたい魅力があります。
これだからクラシック音楽は
やめられません。

(2020.7.13)

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