シューベルトの音楽は何から聴くべきか?

クラシックCDこの曲ベスト3 File-015

シューベルト・ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」

シューベルトの音楽は
何から聴くべきか?
歌曲王といわれるくらいですから
歌曲から聴くのが正道でしょう。
しかし、一般的には
歌曲はある程度クラシック音楽を
聴き慣れた方でなければ
楽しめないと思うのです。
私もポピュラー音楽から
クラシック音楽に趣味が移行した折、
歌曲はなかなかなじめませんでした。

それでは何から聴くべきか?
もちろんこれです。
ピアノ五重奏曲「ます」。
中学校の音楽の時間に、
有名な第4楽章(歌曲からの変奏曲)を
聴いて覚えている方も多いでしょう。
でも、じっくり聞くと、
それ以外の楽章の魅力が
心に染みてくるのです。

ヤン・フォーグラーと仲間たちによる
「ます」変奏曲

1 シューベルト
 ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」
2 シューベルト 歌曲「ます」D.550
3 E.ソーリッド&L.A.トムテ 「ます」
4 マシュー・ホィットール
  「オードブル」
5 S.カシュテンセン&B.シュミット
  「Forelle Blue」
 フォーグラー(チェロ:1,2)
 シーララ(ピアノ:1,2,4)
 シュミット(ヴァイオリン:1,5)
 トムテ(ヴィオラ:1,3)
 サクサラ(コントラバス:1,2)
 ソーリッド
  (ハルダンゲル・フィドル:3)
 カシュテンセン(アコーデオン:5)

楽しいといえば、
このCDが最も楽しめます。
北欧民族音楽とポップスの
融合を図っているアーティストらが
作曲&即興で参加しているという当盤。
2曲目以降を聴くことにより、
「ます」のすべてを味わえるという
逸品です。
ます料理の
フルコースといったあたりでしょうか。

田部京子+カルミナ四重奏団

シューベルト
 ピアノ五重奏曲イ長調 D.667「ます」
シューマン
 ピアノ五重奏曲変ホ長調 op.44
 田部京子(ピアノ)
 カルミナ四重奏団
 コントラバス:ペトル・イウガ

いちばん活きのいい
「ます」かも知れません。
録音も素晴らしく、楽器の一つ一つが
くっきりと聞こえます。
室内楽の録音とはかくあるべし、という
優秀録音です。しかもSACDです。

スティーヴン・ルービン
AAM室内アンサンブル

シューベルト
 ピアノ五重奏曲イ長調D.667「ます」
(ルービン(Fp)AAM室内アンサンブル)
シューベルト
 ますD.550
 川辺にてD.539
 湖上にてD.543
 エルラフ湖D.586
 泉に寄せてD.530
 小川のほとりの若者D.192
 舟人D.536
(エインズリー(T) ルービン(Fp))

何とも枯れた渋い色合いの「ます」。
私はこの盤が最も大好きです。
音色は渋いのですが、
「ます」の躍動感はピカイチです。
むしろ自然の渓流の雰囲気が
見事に表現されていると思います。

カロリーの高い交響曲は
胃もたれしてしまうため、
最近はもっぱら室内楽曲や
器楽曲を聴いています。
シューベルトの曲は総じて
長ったらしい雰囲気があり、
「ます」も40分近くかかります。
その40分を飽きさせない演奏が
優れている盤といえるのでしょう。
シューベルトの「ます」、いかがですか。

(2020.7.6)

コメントを残す