「ジャズ・ノクターン」
ジャズとクラシックを融合させたのは、
ガーシュインだけではなかった!
まだまだ音楽の森は
深くて広いのだということが
分かります。
かれこれ10年くらい前に購入した
CDなのですが、
聴く度にその面白さを実感しています。
「ジャズ・ノクターン
~ジャズ・エイジのアメリカ協奏曲」
〔NAXOS〕
「ジャズ・ノクターン
~ジャズ・エイジのアメリカ協奏曲」と
題された本CD。聴き始めると、
ピアノと管弦楽のジャズ的旋律に、
「あれ?ガーシュインに
こんな曲あったっけ?」と
つい思ってしまうはずです。
曲目を確認すると1曲目は
ジェイムズ・プライス・ジョンソンによる
「ヤマクロー、ニグロ狂詩曲」。
ガーシュインを聴いているような
楽しさが漲ります。
そして2曲目。
独奏しているこの楽器は何?
再び確認すると、何とバンジョー。
ハリー・リーサー作曲
「バンジョーと
オーケストラのための組曲」。
バンジョー協奏曲といっても
いいくらいです。
3曲目でようやくガーシュインです。
もちろん「ラプソディ・イン・ブルー」。
演奏も見事です。お洒落です。
愉快です。ノリノリです。
ガーシュインはやはりこうでなくては。
4曲目で再び
「これってガーシュイン?」という
錯覚に陥ります。
4曲目5曲目が聞きどころです。
作曲家は
ダナ・シュッス(Dana Suesse)。
解説を読むと、
当時「ガール・ガーシュイン」の
異名をとった女性作曲家でした。
4曲目「ジャズ・ノクターン」、
5曲目「3つのリズムのコンチェルト」、
この2曲がまさに
「ガーシュイン」的なのです。
特に本CDのタイトルともなっている
「ジャズ・ノクターン」。
解説によると、
「テーマをビング・クロスビーが
口ずさんだことで
爆発的な人気を得ました」とのこと。
当時話題になった曲だったのでした。
もっと聴いてみたい!
そう思ってこのダナ・シュッスのCDを
探してみたのですが、
現在廃盤中のもばかりでした。
そうか、クラシック音楽にはまだまだ
知られていない面白さがあるのだ!
それを思い知らされた1枚です。
※収録曲一覧です。
1 ジェイムズ・プライス・ジョンソン
ヤマクロー、ニグロ狂詩曲
(W.G.スティルによる
ピアノと管弦楽編)
2 ハリー・リーサー
バンジョーと
オーケストラのための組曲
(D.ヴァッピー編)
3 ジョージ・ガーシュウィン
ラプソディ・イン・ブルー
(編曲:F.グローフェ)
4 ダナ・シュッス
ジャズ・ノクターン
(C.ハクスレイによる
ピアノと管弦楽編)
5 ダナ・シュッス
3つのリズムのコンチェルト
(F.グローフェ編)
ゲイリー・ハモンド(p:1)
タチアーナ・ロイトマン(p:3)
ドン・バピー(バンジョー:2)
ペーター・ミンタン(p:4)
マイケル・グート(ピアノ:5)
クレオール・セネレイダーズ(3)
ホットスプリングズ・ミュージック・
フェスティバル管弦楽団
リチャード・ローゼンバーグ(指揮)
(2020.7.4)