クラシックCDこの曲ベスト3 File-014
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
先日、
ブラームスのヴァイオリン協奏曲を
取り上げました。
その勢いで今日はベートーヴェンです。
この曲も名盤揃いです。
私も数年前まで
いわゆる名盤ばかり買いそろえ、
これがベートーヴェンの音楽なのだと
勝手に決めつけていました。
でも目が覚めました。
音楽には新しい波が
常に押し寄せているのです。
バティアシュヴィリ
(指揮・ヴァイオリン)
ドイツ・カンマーフィル
数年前、
タワーレコードのワゴンセールで
出会った1枚。
ジャケットの美人姿に一目惚れし、
レジに直行してしまいました。
買って正解。
今まで聴いたことのない音が
聞こえてきました。
ジャケットをよく読むと
自分で弾き振りをしている!
この人、
ただの美人のお姉ちゃんじゃない!
冒頭に併録されている
知らない現代作曲家ツィンツァーゼの
「6つの小品」のあとに聴くだけに、
古い衣装を脱ぎ捨てた
清新なベートーヴェンを
聴くことができます。
コパチンスカヤ(ヴァイオリン)
ヘレヴェッヘ(指揮) シャンゼリゼ管
こちらもすごいです。
楽譜の指示を無視して
自分のやりたい放題
やっているようなのですが、
それが極めて刺激的に作用しています。
面白さこの上なしです。
バティアシュヴィリと違い、
併録されているのは
同じベートーヴェンの
「ロマンス1・2番」「断章WoO.5」であり、
CDの構成自体は冒険していません。
カン(ヴァイオリン)
ヴェロ(指揮) 仙台フィル
3枚目の演奏は
端正な正統派の演奏です。
でも決して退屈にはならず、
瑞々しいヴァイオリンの音が
聞こえてきます。
録音は2010年。
この頃、
カンは20代前半だと思われますが、
現在どこでどういう活躍を
しているのでしょうか。
この1枚で
終わって欲しくないのですが。
というわけで、
またまた女性ヴァイオリニストの盤を
3枚並べてしまいました。
オイストラフも素晴らしいし、
シゲティも味わいがあります。
クレーメルも斬新だし、
ムターも格調高い音を
聞かせてくれます。
シェリング盤は
文句のつけようもありません。
でも、この3枚は
新しい魅力に溢れています。
音楽には新しい波が
常に押し寄せているのです。
(2020.6.28)