管弦楽版もいいけどピアノ連弾版もいいですよ
ドヴォルザークのスラブ舞曲といえば、
管弦楽曲が有名ですが、
この曲の原曲は、実はピアノ連弾版です。
管弦楽版ばかり
有名になってしまったため、
こちらは存在自体が
忘れられがちなのですが、
先日面白そうなCDを入手できました。
ドヴォルザーク
「スラブ舞曲集」(ピアノ連弾版)
ドヴォルザーク:
スラヴ舞曲集第1集 Op.46
スラヴ舞曲集第2集 Op.72
クレール・デゼール(p)
エマニュエル・シュトロッセ(p)
録音:2007年
この曲の成立には
ブラームスが関わっています。
そうです、「ハンガリー舞曲集」です。
「ハンガリー舞曲集」が売れたため、
ブラームスはドヴォルザークに
「スラブ舞曲集」を作曲して
収益を上げるよう助言したのです。
ドヴォルザークは当時まだまだ貧しく、
この才能溢れる後輩音楽家を
ブラームスは
何とか支援しようとしていたのです。
ちなみに「ハンガリー舞曲集」も
ピアノ連弾作品として書かれ、
後に管弦楽用に編曲されています。
その編曲もドヴォルザークが数曲
行っているのです。
さて、聴き慣れたこの曲を
ピアノ連弾で聴いてみると、
また違ったイメージが湧いてきます。
「舞曲」の名のとおり、
弾むようなリズムが
管弦楽版以上に際立っていて、
作曲者の描いた原初の姿が
見えてくるような気がしてくるのです。
そして「ピアノ連弾」にも
面白さを感じます。
単にピアノを
二人で弾いているだけでなく、
その奏者二人の
掛け合いが聴き取れるのです。
他にもピアノ連弾の音盤を
所有しているのですが、
このように聴こえてきたのは
初めてです。
他の音盤も、もう一度よく
聴き直していこうと思っています。
ピアノの一方の
クレール・デゼールは、
1967年生まれのフランス人
女性ピアニストです。
ソロ演奏の音盤も
いくつか発表しています。
もう一方の
エマニュエル・シュトロッセは
1965年生まれの、
やはりフランス人のピアニストです。
ソロ演奏よりも
室内楽の方での活躍が目立ちます。
二人は本盤以外にも共演があり、
フォレーヤビゼーなどの
ピアノ連弾曲を集めたアルバムを
リリースしています。
さて、本盤のレーベルMIRAREは
ピアノ曲を主として取り扱っている
個性的なレーベルです。
ジャケットもデジパック仕様で、
美しい仕上がりです。
このレーベルについて
ネットで調べてみると、
新人からベテランまで実力派を擁した
魅力的なラインナップでした。
テルデックからいつの間にか姿を消した
豪腕ベレゾフスキーもいるじゃないか!
このレーベルが好きになりました。
「なんとなく面白そう」。
そういう発想で音盤を選ぶと、
意外な面白さを発見できます。
やはり、音盤は愉し、です。
※この二人の演奏の動画が
YouTubeにありました。
なおドヴォルザークではありません。
(2020.4.4)
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